どこまでドッキリ?「全力!脱力タイムズ」の裏側 「渡部復帰」「アンタッチャブル復活劇」はこうして実現した
滝沢氏に負けず劣らず、その本編も当時からかなりぶっ飛んでいた。それはたとえば「AKB48の神セブンを紹介する内容で、横山由依を紹介すると見せかけて、漫画家の横山光輝氏がタバコを吸っている写真を出す」といった具合だ。 物事の視点を思い切りズラした、ときに観る人を「これでいいの?」とヒヤヒヤさせつつも、笑いの渦に引きずり込む。そんな『脱力』の魅力が世間に届き始めると、絶大な支持を集める人気番組へとのぼりつめていった。
芸人ゲストにとって触れてほしくないタブーに平然と切り込んだり、タレントゲストが芸人ゲストのネタをパロディーにするなどなどーー。さまざまな攻めたチャレンジを続けてきたが、中でも、番組が芸人ゲストの発言を絶妙に編集して、別の内容に加工した「捏造インタビュー」は『脱力』らしい“攻めた笑い”の真骨頂といえるかもしれない。 「捏造インタビューなどの企画について、SNS上では『ゲストを追い込んでいる』『無茶ぶり』と書かれることもありますし、『嫌だな』と思う人もいるかもしれません。でも僕らは、芸人さんやゲストの俳優さんらが、即興やアドリブ力、ワードセンスも含めて全力で取り組んでいる姿を見てほしいんです。『ゲストの意外な一面が見られた』『この芸人が想像以上に面白かった』と思ってもらえるところまでたどりつけたら嬉しいですね」(ラリータ氏)
■俳優たちから「ぜひ出演したい」と逆オファー なにかと独特な『脱力』だが、想像もしない笑いが生まれる様に魅了される関係者は多く、実際、名だたる俳優や、人気芸人たちが出演してきた。普段バラエティー番組にはめったに出演しない俳優から「ぜひ出演したい」と逆オファーを受けたこともあるという。 実際、ゲストが過去に公には見せたことがない一面がたびたび引き出されているのも、この番組の醍醐味である。 たとえば、あの木村拓哉氏が番組に出演して、『ちょ、待てよ』というセリフを自ら言ったり、堤真一氏がクイズ企画に出るもカンペの漢字が読めないぐらい圧倒的に馬鹿なキャラクターになったりーー。「うそだろう」と視聴者が目を疑うようなシーンが、この番組では何度も生み出されてきた。