雨が降るのも承知の上で… 山下美夢有は気合の調整
◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前(20日)◇セントアンドリュース オールドコース (スコットランド)◇6784yd(パー72) 【画像】 古江彩佳の後ろにかかる虹 前日19日、山下美夢有はスコットランドらしい曇り空の午後に1番からコースへ飛び出した。天気予報通りに途中で雨が降っても、18ホールの練習ラウンドを完遂。「やっぱり、天気はすごく変わるので。それ(雨)は承知の上で回っていました」。さらりと言ってのけた。 プロアマ戦をプレーしたこの日も早朝に雨が降っていたかと思えば、一気に晴れ渡り、再び突然強い雨が降り注ぐ時間帯があった。なかなか上がらない気温、吹きつける強風、目まぐるしく変わる天候…。試合になれば、好条件で18ホールを回り切ることはなかなか期待できないからこそ、準備段階で多くのシチュエーションを経験しておく必要がある。
「雨が降ったり、風向きだったりで距離が全然違う」。体感することでイメージの“精度”を上げるのが狙い。「どれだけイメージしたショットに近い球を打てるか。(いろいろ想定して)打っても風次第では…という感じなので」。どれだけ誤差を小さくできるかがスコアメークのポイントになる。 地面が硬く、球を上げづらいというスコットランド。風対策にもなる低弾道で手前から攻めようにも、グリーン手前のこぶがやっかいなホールも多く、一筋縄ではいかない。タフな戦いは覚悟の上だ。
2週前の「パリ五輪」は銅メダルに1打届かず4位となり、大粒の涙を流した。味わったのは悔しさだけではない。「ゴルフを知らない方も見てくださっていて、うれしいコメントもすごくいただいた。4位という結果だったんですけど、初めてのオリンピックがこういう舞台なんだと実感できて、4年後(ロサンゼルス五輪)にまた行きたい気持ちになった」。普段ゴルフに関心が薄い層にも響く熱いプレーができたと分かり、すぐ前向きになれた。
今季メジャー4試合はいずれも予選を通過。6月「全米女子プロ」では五輪切符を引き寄せる2位に食い込んだ。“聖地”での最終戦も日本の女王として存在感を示す。(スコットランド・セントアンドリュース/亀山泰宏)