米10年債利回り、再び5%超える「合理的」な可能性ある-アムンディ
(ブルームバーグ): 欧州最大の資産運用会社アムンディの債券責任者、アモーリー・ドルセー氏は、米10年債利回りが再び5%の節目を試す「合理的な」可能性があると考えている。
米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げに転じたが、債券市場のリプライシングはまだ終わっていないかもしれないと警告する声が増えている。
米10年債利回りが5%に達したことは過去20年で何回かしかないが、アモーリー氏は再びその水準を試す可能性が25-30%程度あるととみている。
「1年か1年半前に付けた水準に戻る可能性はある。もしそうなら、買いのチャンスだ」とアモーリー氏はインタビューで述べた。
シティグループの富裕層部門も、5%に達するのは基本シナリオではないものの、そうなれば「実に魅力的」な水準だとしている。8日の利回りは4.70%弱だった。
米国債、利回り5%に達したら買い-シティのウェルス部門
米国債は9月以降、経済の底堅さからトレーダーが米利下げ予想を後退させたことやトランプ次期米大統領の政策がインフレを再燃させるとの懸念から売られている。
7日にCMEが発表したオプションデータは、来年2月末までに10年債利回りが5%になることを見込む新たな取引が行われていることを示した。先物市場では米国債のショートポジションが積み上がっているもようだ。
ただ、ブルームバーグがまとめたアナリスト調査では、10年債利回りが年末までに現在の水準から上昇すると予想したの51人中わずか3人だった。
アムンディはここ数ヶ月、米国のデュレーション(平均回収期間)を短めにしているという。
トランプ氏の予測不可能な統治スタイルは、さらなる課題を投げかける。同氏はグリーンランドやカナダを巡り強硬な発言をし、貿易関税が懸念されていたほど強硬でない可能性を否定した。
債券運用のベテランであるドルセー氏は、このような場合、投資家は新たなシナリオのリスク・リワードだけでなく、成長やインフレに与える潜在的な長期的影響にも注目する必要があると指摘した。