コークス炉の熱間積み替え補修技術、JFEスチールが初受注。伯ゲルダウから
JFEスチールは29日、自社技術を外販するソリューション事業で、コークス炉の老朽箇所を稼働しながら修繕する「熱間積み替え補修技術」を初受注したと発表した。ブラジルの高炉メーカー、ゲルダウから採用された。コークス炉の補修工事を手がけるメガテック(本社・千葉市、会長・長尾繁氏)との共同受注で、両社の共同特許に基づいた施工技術を供与する。受注額は非公表だが、数億円規模とみられる。 ゲルダウのオウロブランコ製鉄所(ミナスジェライス州)のコークス工場向けで、今年5月に契約を交わした。契約期間は27年4月までの3年間。JFEから3人、メガテックから6人の合計9人の技術者が現地入りし、施工の手順やノウハウを供与する。 熱間積み替えは、コークス炉を部分的に補修する。全面的に炉を造り替える新設や全面更新といった工法と比べ、工事費用を安く抑えられる。今回は3年間で炉の8カ所を施工する計画だ。 施工前に必要となる炉の劣化診断では、レーザースキャナーを駆使するJFEの独自技術「炉壁凹凸可視化システム」を適用。炉壁が損傷したり変形したりした部分を画像診断で効率的に割り出せる。 施工では、複数のレンガをあらかじめ積み上げ大型化した成形ブロックを据え付ける。現地でレンガを一つずつ積み上げる従来手法と比べ、工期短縮や施工品質を向上できる。高性能の断熱材を活用しながら工事を進め、作業員の安全性も確保する。 JFEは自社のコークス炉でこれまで、約200回の熱間積み替えの施工実績がある。