「街で売っていただくのはとても助かる」中山間地域の特産物 郵便局が販路拡大の救世主に 全国初の実証実験進む=静岡市
静岡放送
静岡市では中山間地域の悩みを解決しようと、郵便局が実証実験を進めています。 JR静岡駅から車で約40分。中山間地域「オクシズ」の清沢郵便局です。 <地元の生産者> 「おはようございます。『ぽすちょこ便』お願いします」 地元の生産者が持ち込んだのは、特産のレモンを使った加工品とサツマイモです。日本郵便はオクシズの人たちが作った野菜などを通常よりも安い料金で市街地に運ぶ実証実験を11月から始めました。 <社会部 大西晴季記者> 「郵便局の配達する車のこちらの空きスペースを使って地元の特産物を街中へ運びます」 ルートが決まっている配送車で荷物をオクシズから静岡中央郵便局まで運び、料金はコンテナひとつにつき300円(税込)。 通常の料金よりも1000円ほど安い設定です。市街地で荷物を受け取った人は商品を店舗で販売したり、レストランで料理に使ったりと利用方法はさまざまです。 オクシズ地域では高齢化や人手不足などもあり商品を地元から離れた市街地で販売したくてもあきらめている人がいました。 <清沢地区の生産者> 「なかなか清沢までお買い物に出向いてくれる人が少ないので、このような事業で街で売っていただくのはとても助かります」 荷物を受け取る市街地の店舗側も、この取り組みを歓迎しています。 <駅ビル内の店舗スタッフ> 「お客さまにとっても清沢地区まで買いに行かなければならなかった商品が静岡駅の当店で買えることにメリットがあるので、SNSとかでも告知して活用していきたい」 また、日本郵便はネットスーパーを展開している事業者と連携した実験も進めています。これまでネットスーパーで配達の範囲外だったオクシズ地域に郵便局の配送車が商品を届けます。朝8時までに注文すれば当日の受け取りも可能です。 <清沢地区の人> 「ここからスーパーまで20分弱かかるんですね。そうなると冷凍品とかが心配なんですよ、夏場は。郵便局に取りに行けるようになると冷凍品も気軽に取って来れるからすごいいいな」 山間地域から街中へ、そして街中から山間地域へ。往復で配送車の空きスペースの活用する取り組みは全国で初めてです。 <静岡中央郵便局 山本浩吏局長> 「地域がいかに活性化していくのか、ここに少しでも私どもが寄与できればと思っている。そのために全国津々浦々に郵便局網を配置させているので、最大限活用することをこれからも日々考えていきたい」
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