ショッピングセンター、耐震懸念で突然の休業… 買い物客「非常に困る」困惑の声 静岡県・掛川「ミソラタウン」A棟
木内建設グループのフジ都市開発(静岡市駿河区)は7日、大和ハウス工業(大阪市)が設計・施工を担当した掛川市高御所のショッピングセンター「ミソラタウン掛川」の主要施設のA棟について、一部の基礎杭(くい)が支持層に達しておらず、耐震基準を満たしていなかったと発表した。同棟で営業していた遠鉄ストアとドラッグストアのマツモトキヨシは同日から休業し、無印良品は閉店した。 フジ都市開発と遠鉄ストアが浜松市中央区で記者会見し、経緯を説明した。フジ都市開発によると、A棟の基礎杭72本のうち、少なくとも5本が支持層に届いておらず、建物が最大約14センチ沈下したという。 ミソラタウン掛川はA棟~D棟の四つで構成されている。フジ都市開発の担当者は他の建物は異常がないと説明した上で、A棟について「追加調査後に最終判断するが、解体して建て直すことを想定している」と話した。 同所は昨年5月にオープンした。総工費約30億円。A棟は鉄骨造り2階建て、延べ床面積約5540平方メートル。B~D棟にはコーヒー店や飲食、雑貨店などが入る。 ■「初めて知った」買い物客、一様に困惑 掛川市高御所のミソラタウン掛川では7日、A棟で営業する店舗の突然の休業・閉店を知らない買い物客が断続的に来店した。事態を知らせる張り紙に目を走らせ、一様に困惑の表情を浮かべた。再開時期を気にする声も目立った。 日常的に買い物に来るという近所の主婦(44)は「初めて知った。店からのLINE(ライン)の通知もなかった。これから調査するということは、再開まで時間がかかってしまうのではないか」と戸惑いを隠さない。昼食を買いに来たという男性(67)は「利用しやすく、生活に欠かせない施設になっている。非常に困るが、安全面で何かあったらもっと困る」と話し、スマートフォンで張り紙を写真に収めた。 自転車で来店した女性(81)は「ほかのスーパーは遠くて自分の足では行けない。仮設の売り場でもいいから、食料品を売ってほしい」と懇願した。
静岡新聞社