美容家・石井美保が、“奇跡の48歳”と呼ばれて考えた「若さ」との向き合い方
若さには固執しなくてもいい
実際にお会いして驚くのが、石井さんの肌の綺麗さだ。こすらないことで保たれている毛穴レス・たるみなしの肌は、大げさではなく光り輝いているように見える。石井さんのように美しく年齢を重ねる女性をお手本に、美容に興味を持って丁寧なケアをする人が増えている一方で、“若くいないといないといけない、加齢をストップさせないといけない”と心が窮屈になってしまう人もいる。エイジングについて石井さんはどのように捉えているのか伺った。 「私自身、キャッチコーピーとして“奇跡の〇〇歳”“若々しい肌”など、◯歳に見えない! といった若さの部分でこの10年ぐらい注目していただきました。若く見えることに価値がおかれ、それに応えよう、この若さを維持できるようにしようと頑張ってきましたが、その評価にしがみつくことは年々辛くなってきます。自分も先々限界が来るんだろうなと思ったときに、このままで生きてくのが本当に苦しい。しかも、メディアにも登場しないといけないと、すごく苦しかった時期がありました。でも、今は自分の中でその苦しみは開放して、若いねではなく、きれいだねと言われることに重きをおいたんです。 若いわけではないけれど、世の中にきれいな人って先輩方でもたくさんいらっしゃるんですよね。私はそこを目指したいなと今は思っています。きれいを諦める必要はないけれど、若さには固執しなくてもいいんじゃないかなと。今は、若さを諦める=きれいになることすら投げ出してしまうと一緒くたに考える風潮があるように感じます。 きれいでいる人はいつまでも若さにしがみついてどうなの? といった意見も耳にしますが、それは若さにしがみついているわけではなく、きれいでいることに一生懸命なだけなのだと思うんです。だけど、きれいと若さが一緒にされてしまうと、評価もおかしくなってしまう。きれいになることは諦めず、若さに固執するのをやめたら楽になると思いますね。そして、きれいになるのは、見た目の表面的なことだけではなく、内側も大事。心の余裕やおおらかさ。そういうものも相まってきれいは作られていくので、大人になってからの方がきれいな人はこの先どんどん出てくるだろうなと思います」 石井さんは「若さ」という価値観から解放され「内面を含めたきれいさ」にシフトしたという。歳を重ねると、見た目だけでなく健康面なども気になるが、石井さんはどのように年齢の変化を乗り越えたのだろう。 「私も40歳手前でホルモンバランスも変わり、いままで同じ調子でいたのが突然39歳のときに『あれ? 』と調子が悪くなりました。それは40という数字を意識していたからだと思うんです。40歳というワードで自分を老けさせていたんですよね。無意識におばさんだと思ってしまうことで、今まで効果のあったスキンケアが突然効かなくなるように感じていました。必要以上に40の呪縛がすごかったのだと思います」 「でも、それを解放したら右肩上がりにまた調子が上がってきました。年齢を強く意識することは、ネガティブに自分を老いに追い込むポイントになりがちですが、そこをどうプラスに考えられるかが大事なんです。数字に固執せず、気持ちを変えるだけで体にも肌にも現れてくると思います。 気をつけないといけないのは、代謝や回復力の減少。若いときは代謝酵素が豊富なので、糖をたくさんとっても変化はそこまで感じませんが、ある時から糖を代謝する酵素が減ってしまうので、糖を取るだけで黒ずむしたるみも加速する。頭を動かすのに必要なエネルギーではあるので、まったくとらないのではなく過剰に取らないことが大事です。必要以上にネガティブにならず、でも対処することはする。大事なのは、そのバランスなのかなと思います」 ワンピース 19800円/セルフォード ルミネ新宿2店 ピアス 28600円、チャーム 各13200円、ブレスレット 22000円、リング(右手人差し指)23100円、リング(右手薬指) 40700円、リング(左手人差し指) 49500円/ノジェス ヘア/Ruri スタイリング/今村仁美 撮影/日下部真紀
VOCE編集部