アニサキス症は春にも急増!酢締めでも、噛んでも死なない、治療薬もない……腸に逃げる前にすぐ病院へ!
◆アニサキス豆知識 その1 (1)アニサキスは、胃酸でもすぐには死なない アニサキスの幼虫は、食べてしまえば胃酸で死ぬでしょ? と思いきや、胃酸でもすぐには死なず、しばらくは生きています。アニサキスは必死で胃壁に噛みつき、粘膜の中へもぐり込もうとします。だから、アニサキス症の痛みは長く続くのです。 (2)アニサキスは、酢、塩、酒、しょうゆ、わさびでは死なない! アニサキスの幼虫は酢漬け、塩漬け、しょうゆ漬けにしても死にません! アルコールで退治を!というのも効きません。つまり、〆サバにしても、漬けにしても、一緒にお酒を飲んでも生きている。とてもしぶといヤツなのです。 (3)アニサキスは、加熱や冷凍が不十分だと死なない! アニサキスの幼虫を死滅させるためには「中心温度60℃で1分以上加熱する」「-20℃で24時間以上、または-18℃で48時間以上冷凍する」のが有効。つまり、加熱が不十分だったり、冷凍具合が甘かったりすると生きていて、そのまま食べてしまうと体内で大暴れして、食中毒を起こします。
◆アニサキス豆知識 その2 (4)アニサキスは、内臓から身に移動する アニサキスの幼虫は魚介類の内臓に寄生していますが、魚介類の鮮度が落ちてくると、内臓から身(筋肉)に移動します。 だから、さばいていない魚介を料理する場合は、「鮮度がいいうちに内臓を取り除き、鮮度がいいうちに身を食べる」これが魚介を生で食べる際のアニサキス対策の基本。内臓を生で食べないこともアニサキス対策のひとつです。 (5)アニサキスは、噛んでも死なない 「よく噛めばアニサキスは死ぬ」という説がありますが、アニサキスはゴムのように弾力があり、歯ではかみ切れない可能性が高いようです。だから、身を包丁で刻むほうが確実にアニサキスを死滅させられます。つまり、アジのタタキやナメロウは、アニサキス対策としてはとても理に適った料理です。 (6)アニサキスにやられたら、猛烈な痛みが何日も続くことも…… アニサキスの幼虫が胃壁に食いついたら、食後3~4時間後から十数時間後に、激しい腹痛、悪心、嘔吐を生じます。腸壁に食いついたら、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、吐き気や下痢、発熱などが起こります。 アニサキスは胃酸でもすぐに死なないので、数日間痛みが続くことも珍しくありません。また、ひどい場合は、じんましんや呼吸困難などのアレルギー症状や、腸閉塞を起こすこともあります。