米大統領選の行方、数字の魔力に予断禁物、2016年は大外れ 専門家は「推移が重要」【ワシントン報告㉒世論調査】
トランプ氏が出馬した2016年、2020年の選挙では、民主党側のクリントン元国務長官、バイデン大統領とも選挙直前の段階の世論調査で、トランプ氏に対し数ポイントの差をつけて優勢だった。ハリス氏が僅差ということは、民主党側にとっては不安な材料である。 ▽トランプ氏支持は低めに出がち トランプ氏は実際の得票より世論調査の数字が低めに出てきた。今回もそれが当てはまれば、地滑り的な勝利につながるとの試算もある。低めの数字が出る理由として、回答した人がトランプ支持を明らかにすることを嫌うためという説明がある。 ところがAAPORの報告書は「(匿名が守られるインターネットのような)調査でも同じ結果が出ていることや、トランプ氏が候補者でない上院議員や州知事選でも民主党が高めに出ることを考えると大きな理由とは言えない」と排除している。トランプ氏の支持者が世論調査を受けたがらないと考えた方が合理的と付け加えている。
当確判定では出口調査が有効とされてきたが、期日前投票が増えた今、これも頼りにならない。トランプ氏は敗れても簡単には認めないだろう。ワシントンの日本大使館関係者は「いつの段階でお祝いを言えば良いのか迷っている」と話している。