飼育員が自宅で世話したシロクマ「ピース」が25歳に!国内初の“人工哺育”成功例 愛くるしい写真で振り返る25年の歩み
愛媛県砥部町のとべ動物園で飼育されているメスのシロクマ「ピース」が、12月2日に25歳の誕生日を迎えました。 【写真を見る】シロクマ「ピース」の愛くるしい姿 シロクマとして国内で初めて、人間が親に代わって赤ちゃんを育てる「人工哺育」に成功した個体です。 愛くるしい姿を捉えた写真とともに、25年の歩みを振り返ります。 ■誕生日に500人のファン とべ動物園の人気者「ピース」とは 7日にとべ動物園で開かれたピースの誕生日会には、なんと県内外から約500人ものファンが駆け付けました。 東京から 「感慨深いというか、長生きしてほしいもっと」 神奈川から 「ただのシロクマっていう感じじゃなくて、親しみのあるシロクマという感じ」 中には手作りのグッズを手にしたファンも… ■国内初の「人工哺育」成功例 そのウラには飼育員の懸命な努力が そんなとべ動物園の人気者、シロクマ「ピース」。 その育ての“母”ともいえる存在が、飼育員の高市敦広さんです。 飼育員・高市敦広さん 「一日一日の積み重ねの25年ですから、よく来たもんだっていうのはある」 1999年12月2日、体重わずか680gで生まれたピース。 母親・バリーバは出産後落ち着きがなくなり、園ではピースを安全に育てることが難しいと判断。 その代わりとなったのが飼育員の高市さんでした。 高市敦広さん 「ギャーギャー元気な声で鳴くんですよね。これお母さん呼んでいるんだなって。その時に、何が何でも育ててやるって決意した覚えがある」 3時間おきのミルクがピースの命綱。ホッキョクグマに合うミルクの種類を探す試行錯誤を重ねました。 夜は自宅に連れて帰ります。ホッキョクグマの赤ちゃんは細菌に弱く、高市さんと家族みんなが24時間態勢で見守る必要があるからです。 高市敦広さん 「ずっと緊張感の中で生きているので、あのぬいぐるみのようなピースを見てかわいいって感じたことがないんです」 そうした努力も実り、生後3か月で体重は15キロに。 現在も、国内の人工哺育の生存記録を更新し続けています。