2万5千人の町にド派手な車130台…“痛車”コンテスト誕生秘話 アニメ好きの公務員「企画なぜか通った」
そんな公式痛車の一例が、岐阜県の多治見市役所の公用車です。
多治見市役所の職員: 「市役所の職員で観光の仕事をしています。『痛公用車』と世間では呼ばれています」
多治見市を舞台にしたアニメを施されていて、乗っていると視線を感じたり写真を求められたりすることもあり、市のPRに大いに役立っているといいます。
■イベント前には業者にも予約が殺到…痛車はどうつくるのか
その痛車はどうやってつくられているのでしょうか。新潟県のカーラッピング専門の会社「K-WindsオフィスK(ケーウィンズ・オフィスケー)」に聞きました。 まずはラッピングしたい車を採寸し、パソコンで作ったデザインをシートに出力して、車に貼り付けていきます。
車の形状に合わせて切り取っていくのは当然ですが、ドアやガソリンのフタが開くよう、切り込みなども入れながら慎重にカットしていきます。そして約500℃の「ヒートガン」を当てて、伸び縮みさせながら貼り付けていきます。全てが手作業で、2人がかりでも1週間程かかるといいます。 痛車のイベント前には予約が殺到し、3カ月待ちになることもあるということです。
値段はこの会社では、デザイン費や施工費などすべて込みで軽自動車が50万円から、SUVやセダンが70万円から、ワンボックスが90万円からとなっています。
洗車は手洗いで約5年はもつということでした。
■なぜ垂井町で「痛車イベント」なのか…50歳の担当者「単純に僕がオタクっていうか」
そんな痛車イベントが岐阜県の小さな町で始まったのは、公園の管理などをする公務員、中村文彦さん(50)の発案でした。
中村文彦さん: 「何か新しいコーナーを作れないかっていう意見募集がありまして。で、企画を書いて出したところ、それがなぜか通ってしまったって形なんです」 元々は町おこしのイベントを町が募集し、中村さんが応募したのがきっかけでした。 中村さん自身も痛車を所有していますが、奥さんから「近所に見られたら恥ずかしい」とNGが出たため、「苦肉の策で」ボンネットの裏側を装飾する“痛車愛”ぶりです。