熊本市役所本庁舎「NTT桜町ビル跡地」への移転案を市議会に提示 中央区役所は別棟で建設の方針
一方、中央区役所を分棟にした場合、本庁舎の高さは市の景観計画で定める海抜約55メートルに収まり、「熊本城の景観は守られる」としています。 熊本市の大西一史(おおにし かずふみ)市長は6月7日の本会議で、区役所を分けて建てた方が消費行動の対象となる中心市街地のエリアは広くなるため、経済効果もあると強調しています。 では、市は建て替えに関する費用はいくらになると見ているのでしょうか。 ■建て替えにはいくらかかる? 市はこれまでに ・現庁舎の解体 ・新庁舎の設計・建設 の概算事業費を約470億円としています。 そのうち約136億円とされる国の交付税措置「合併推進債」を活用することなどで、「実質的な市の負担額は294億円」としてきました。 一方、今回示された事業費では土地取得費などの概算が初めて示されました。 【NTT桜町跡地×花畑町別館跡地】 概算事業費: 約616億円+α (主な支出) 現庁舎解体費: 約90億円 設計費や駐車場整備費など: 約100億円 新庁舎建設費: 約353億円 NTT桜町跡地土地取得費: 約70億円 (主な収入) 合併推進債など: 約226億円 現庁舎跡地売却費: 約133億円 →実質的な市の負担額: 約255億円 【NTT桜町跡地×市役所駐車場】 概算事業費: 約629億円+α (主な支出) 現庁舎解体費: 約90億円 設計費や駐車場整備費など: 約100億円 新庁舎建設費: 約353億円 NTT桜町跡地土地取得費: 約70億円 市役所駐車場土地取得費: 約7.6億円 (主な収入) 合併推進債など: 約231億円 現庁舎跡地売却費: 約133億円 →実質的な市の負担額: 約263億円 ■建て替え案での課題は? 市は二つの案のいずれも、今の庁舎の跡地を売却することなどで「これまで示してきた実質的な市の負担額よりも下回る」としています。 しかし国の合併推進債を市が使うには、来年3月末までに新しい庁舎について実施設計に着手する必要があり、ギリギリのタイミングです。もし間に合わなければ使うことができません。