孤独死のリアル 「高齢者にはおカネをかけたくない」?
淑徳大学教授の結城康博氏は毎日新聞政治プレミアの取材に応じた。「これだけ高齢者が増えているのですから、自宅で、一人で亡くなること自体は当然のことです」と語った。 【写真】ビル街でひとり 結城氏は、「2、3日で見つかる人も、誰かが気にかけていて、関係があるから見つかっているのですから、孤立しているとはいえません。実際に問題になるのは4日目以降ではないでしょうか」と言う。 そのうえで、「孤独・孤立対策の担当相ができましたし、警察庁が調査をしたことは良かったと思います。しかし、大きな予算を投入した対策はほとんどありません。高齢者にはおカネをかけたくないのかもしれません。各自治体での取り組みはありますが、自治体には財政状況に差もあります。国がもっと予算をかけてやるべきです」と訴える。 「2035年には団塊の世代がみな85歳以上になります。35年から40年にかけて、日本の高齢者をめぐる社会保障は大きな危機を迎えます。命の問題である点では安全保障と同じです」と指摘した。