志穂美悦子「結婚を機にアクション俳優を引退。夫・長渕剛のライブでもらうお花がきっかけで花創作家の道に」【志穂美悦子×草笛光子】
◆草笛家の庭の手入れも 志穂美 引退してからは、草笛さんにお会いすることもなくなっていましたね。 草笛 あなた、(水谷)豊とも会ってないでしょう? 志穂美 ええ、本当に全然会わなくなっちゃったんですよ。 草笛 私たちがこうしてまたちょくちょく会うようになったのは『ばぁちゃんロード』という映画で、私と文音ちゃん(志穂美さんの長女)が祖母と孫の役を演じてから。だから、ここ5年くらい? 志穂美 そうですね。共演させていただいたのは18年ころなので。 草笛 ニューヨークに遊びに行ったとき、ちょうど文音ちゃんが留学中だったから、ずっと一緒にいて案内もしてくれた。頼りがいがあって、かわいいの。私にとっては親戚のお嬢ちゃん、という感じ。あんな娘がいたら、いいよねえ。 志穂美 草笛さんだって、いろいろな方から「お母さん、お母さん」って慕われてるじゃないですか。 草笛 あなたも親戚みたいで、ついいろいろお願いしちゃう。庭の手入れまでしてくれるじゃない。 志穂美 おうちが近いから、文音とお花を植えたり、季節ごとにバルコニーの植栽の植え替えをしたり。アレンジメントとも違って、楽しい。
草笛 おかげでうちの庭がとてもきれいになった。私、あなたの選ぶ色が好きなのよ。ほら、ハレの舞台に出るときの頭につける花飾りも作ってくれたじゃない。 志穂美 2022年の「ねんりんぴっくかながわ」の開会式に、応援団長としてお出になったときですよね。 草笛 1万人を超えるお客様がいる横浜アリーナで、バーッと出ていかなくちゃいけない。ああいう場はドレスだけ派手でも目立たないの。頭に華やかな飾りがあるのとないのでは大違いなのよ。それを、ドレスに合わせて生花で作ってくれて。 志穂美 とってもお似合いでした。草笛さんって、ご自宅では寝間着みたいな恰好をしてだら~っとしていることもあるのに、お仕事になった途端、フランス映画に出てくる女優さんみたいになる。(笑) 草笛 あら、そう? 志穂美 ちょっと前まで、日本の女優さんといえば、楚々とした着物姿でパーティーに出るような方がほとんどだったじゃないですか。私自身、そういう女優のイメージを壊したいと思って仕事をしていたんだけど、草笛さんはまさにその女優像を打ち破った先駆者だと思っているんです。 草笛 「着物姿で楚々と」というのが、どうも私は似合わないね。だから着物はみんな処分した。あなたはこの先、お花以外にやってみたいことはあるの? 志穂美 いろいろありますよ。先のことはしっかり計画してます。プライベートでは、キャンピングカーを買って、うちの犬を連れてあちこち旅したいな。 (構成=篠藤ゆり、撮影=天日恵美子)
志穂美悦子,草笛光子
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