2030~31年に向け、ドル円相場は「60円台」へ?…外国人投資家による“死に物狂い”の円買いの後に〈やってくる流れ〉とは【相場のプロが解説】
「70~60円台」の円高とともに日本株高が到来する
1980年代にスペクタキュラーな収益機会を見逃した世界の投資家は、成熟した先進国の株式としては異例の莫大な投資収益をみて、さらに一層、日本株を買うという流れになるのは間違いないだろう。 たとえば近未来で2030~2031年、日経平均5万3,000円、円相場70円とすると、ドル建て日経平均は757ドルとなる。9月初旬の現在226ドルなので3.3倍の株価上昇となるのである。このドル建て日経平均757ドルは間違うとすれば過小の予想で、下手をすると1,000ドルを狙えるかもしれない。日経平均7万円、ドル円相場70円の世界である。 ということは、「外国人投資家は死に物狂いで、円を買い、買った円で日本株を買いまくる」ことになる。 これをわかっていない外国人投資家たちは、いまは日本株を買っているが、為替は円を買っていない。彼らは円についてはヘッジして、すべて売ってしまった。だから、円安になってしまったわけだ。 ところが、本当に次にやってくる流れは、1982年と同じもの(シンクロ=再現)なのである。 1982年は278円のドル円相場が1988年120円まで急激な円高になるときの株の上げであった。今度も同様で、140円のドル円相場が70~60円台まで突き抜ける凄まじい円高になる。そのときに株高が到来するわけである。 いまはわけがわからなくて140円で円を売っている外国人投資家がいる。 自分たちは膨大に日本株を買ったので、円相場が下落するとまずい。ということで、ドルを買って円を売っている。これは世の中が見えていない人たちといえる。ただしそのうちに円高になってくると、円高でも株高になることがわかってくるわけだ。 何度も申し上げるが、これまでは円安だから株が買われてきたとか、日経新聞はじめ各メディアがさもわかったように報じるが、それにはまったく関連性はない。 それぞれが別個に動いていくのが真実である。
若林 栄四
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