芸人で放送作家・佐藤満春 苦手な打ち上げは「行くことを諦めた」 それでもうまく立ち回る方法
日テレNEWS NNN
芸人 兼 放送作家として活躍する佐藤満春さん(46)にインタビュー。お笑いコンビ・どきどきキャンプとして海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』のネタで活躍するも、当時芸人としての仕事に苦しさを感じていた佐藤さん。その後、賞レース優勝や冠番組など芸人の王道を諦めたことで放送作家として活動の場を広げ、ピーク時は23本の番組を担当する売れっ子放送作家となりました。 【画像】自身は“凡人オブ凡人” と語る佐藤満春さん
今回、自身の経験をもとにつづった初のビジネス書『凡人の戦略 暗躍する仕事術』を11月1日に発売。諦めたことで人生が好転した佐藤さんに働く人たちへ伝えたいこと、苦手な仕事との向き合い方を聞きました。
■無意識にまん延している「誰かから承認されないと…」
――初のビジネス書を通して、一番伝えたかったことは何でしょうか? 僕自身はすごく色んなことを諦めて、挫折のその先、自分というものに期待をしないながらも結果転がっていったら、すごくありがたいお仕事をたくさんさせてもらっている人生だったので。 今、“自己実現”とか“好きを仕事に” “夢を持って生きよう”みたいなキャッチが世の中にあふれていて。そこに僕自身もそうなんですけど、すごく疲弊してしまう、疲れている人も多いと思うんですよね。という中で、「そうじゃなくても大丈夫なんだよ」っていうことを、しっかり伝わる本になるといいなというのは意識したところですね。 奥さんに尽くす人生があってもいいし、ペットのために生きる人生があったっていいし。実は生き方・自分の価値の置き方って無限なはずなのに、自分が誰かから承認されないと生きちゃいけないっていう。無意識に世の中にまん延している、目に見えない何かがあるような気がして。もうちょっとラフに生きていいんじゃないのって、僕はすごく思うところがありまして。(この本が)ヒントになれば、すごくうれしいですね。
■苦手な打ち上げは「諦めた」 それを補う方法
――佐藤さんの“苦手な仕事との向き合い方”についてお聞きします。本の中で1つの例として“打ち上げ”を挙げていますが、それに対する向き合い方を教えてください。 打ち上げって本来は行った方がいいと思っているんですよ。ただ僕は、打ち上げの雰囲気が苦手すぎて、行くことを諦めた。色んな番組に関わる上で打ち上げ・忘年会があった後、チームワークができていることにも気づいたりもする。そこに強制力さえなければ、みんなが楽しいんであれば、“あったほうがいいんだろうな”ともすごく思うんですけど、僕は本当に嫌なので行かないんです。 気も使うし、お酒も元々飲めないし、食べ物も全然好きじゃないし…となると、何のために行くのかわけがわかんないですよね。 放送作家の仕事っていうのは特殊なんですけど、人の輪を広げていかないと依頼が来ない仕事なので。ということは、本当は打ち上げ・飲み会に行く人の方が有利に決まっているわけです。コミュニティーが広がるわけだから。 ――苦手な打ち上げを「諦めた」代わりに、他で補っていることはありますか? 担当している朝の番組とか、関わる人が多い番組では(打ち上げに)行かない分、ふとした瞬間にちょっとその人がどういう人か探って話しかけてみたりします。その人の何かが知りたいというよりは、そこで話した方が、この人との仕事が円滑になりそうだな…と。例えば、話してみたら“実はすごく熱狂的なプロ野球のファン”だったとか、仕事の話だけしていたら出てこない、その人の情報ってあったりする。そういうのも探ったりすることありますね。 そこで話す分には、別に何にも嫌じゃない。打ち上げとかと違って終わった後、どこかに行かなくていいから。仕事の時間としての会話の何ターンかだから、黙っていて過ぎ去るもよし。僕はもう現場的にも年上で、(周りは)年下の方が多い。向こうが気を使うだろうなってタイミングも多いので、こっちから話しかけてその糸口を見つけることはありますね。