<憲法記念日>日本国憲法には“誤植”がある?
今日は憲法記念日(5月3日)です。1947年5月3日に日本国憲法が施行されてから68回目となります。連休明けの5月7日には、衆議院の憲法審査会で実質審議が始まり、憲法改正をめぐる議論がスタートします。しかし、私たちは憲法についてどれくらい知っているでしょうか。実は知っているようで知らないこともあります。少し違ったアングルから憲法をみてみましょう。 <数字で見る憲法>日本国憲法の3大原理とは何?
「国会議員の“総”選挙」?
「憲法の議論をするのであれば、まず日本国憲法には“誤植”があるということを知ることが大切です」 こう話すのは憲政史家の倉山満さんです。倉山さんが指摘する誤植とは、日本国憲法第七条四号の「国会議員の総選挙の施行を公示すること」の条文。第七条は天皇の国事行為について規定するもので、ほかに、憲法改正や法律・条約の公布に関してや、国会の召集、衆議院の解散についてなど十号まであります。「国会議員の総選挙」の部分は、たとえ衆参同日選挙であったとしても参議院の半分は非改選。つまり「“総”選挙」にはなりません。 「“総”の一文字は誤植なのです。ほとんどの人はこのことを知りませんし、本来なら全員一致で賛成してもおかしくない誤植ですら68年間修正できなかったのです。辛辣な言い方をすれば、誤植も変えられないのに、九条を変えられるわけがありません」 筆者自身、誤植があることを知りませんでしたが、条文を読み込んで修正すべきところが見つかれば、修正しようと考えると思います。これはイデオロギーではなく、誤りだからです。 国立国会図書館「諸外国における戦後の憲法改正」(第4版)によると「1945年の第二次世界大戦終結から2014年3月に至るまで、アメリカは6回、カナダは1867年憲法法が17 回、1982年憲法法が2回、フランスは27回(新憲法制定を含む)、ドイツは59回、イタリアは15回、オーストラリアは5回、中国は9回(新憲法制定を含む)、韓国は9回(新憲法制定を含む)の憲法改正をそれぞれ行った」とあります。改正の内容はそれぞれですが、修正、削除などの場合もあります。