子どもへの読み聞かせは1日何冊が良い? 絵本の専門家・ふわはねさんに聞いてみた
家庭での読み聞かせで一番大切な事
――読み聞かせの活動もされているふわはねさんに、親子で読み聞かせをする際の絵本の選び方についてアドバイスをいただきたいです。 親が「これを読んであげたいな」と思う本を選べばいいと思いますが、子どもが自分で本を選ぶ体験も大切だと思います。 たとえば、月に1回ほど子どもと一緒に本屋さんに行って、「好きな本を選んでいいよ」と声をかけ、実際に子どもが選んだ本を買うんです。 「好きな本を選んでいいよ」と言った以上は、選んだものに対して「ダメ」とは決して言いません。つい何か言いたくなってしまうと思うのですが。(笑) そこで大切なのが本屋さん選びです。このお店ならどの絵本を選んできても間違いないという信頼のおける本屋さんへ行くのがポイントです。 子どもと一緒に、お母さん、お父さんも1冊ずつ自分の本を買う。家族の時間としても、そういった機会があるといいなと思います。 ――自分で選ぶ経験も大切ですね。夜の読み聞かせの時に、分厚い図鑑を持ってこられた経験があるのですが…… 自由に選んでもらうと、こういうこともありますよね。親が困ってしまう場合は、何かしらの工夫も必要だと思います。おはなしの絵本の棚と図鑑の棚を分けて、「寝る前の本はおはなしの絵本の棚から選んでね」と声をかけてみるのもいいかもしれません。 ――家庭での読み聞かせで、心掛けたほうがよいことはありますか? 親子が一緒に楽しむことが何より大切だと思います。 「こうしなければならない」という細かいルールは考えすぎず、「読んで」と言われたら笑顔で向き合う、飽きてしまったらそこで辞めるなど、子どもの気持ちに寄り添いつつ楽しめたらいいと考えています。 絵本の読み聞かせの良いところは、何かの片手間ではできないところだと思っています。子どもにとっては、親が自分とじっくり向き合ってくれる嬉しい時間になりますし、親も子どもに「本を読んで」と言われると、ちょっと嬉しい気持ちになりますよね。 「読んで」「いいよ」のやり取りに、その絵本の価値の半分以上があると思っています。なのであまり肩に力を入れすぎずに、「1日何冊読まなきゃ」とか、「寝る前に読まなきゃ」などと決める必要はないと思います。 何よりも大切なのは、大好きな人が自分のために読んでくれる。このかけがえのない時間だと思います。 (取材・文/nobico編集部)
ふわはね(絵本講師)