行方・潮来市 発展を期待 東関道水戸線開通26年度 観光・企業誘致 「千載一遇チャンス」 茨城
東関東自動車道(東関道)水戸線が2026年度に全線開通し、同年度半ばに北浦インターチェンジ(仮称、IC)-鉾田IC(同)間が先行して供用されることになった。全線開通は人口減に悩む茨城県内の沿線自治体にとって、地域発展のための「千載一遇のチャンス」。地元自治体は、地場産品販売や観光拠点としての「道の駅」整備や工業団地への企業誘致、産業拠点の形成など、地域振興の絵図を描く。 麻生(仮称)、北浦両ICが設置される同県行方市は県と一体となって、青沼地区の行方パーキングエリア(仮称、PA)に併設する地域振興施設の整備を進める。 同施設を「道の駅」としたい方針で、行方PAに駐車し徒歩で往来でき、県道水戸鉾田佐原線からも利用できることにしている。市は開通による交流人口の拡大が見込まれることから、地場産品の販売がメインの観光拠点を目指す。 市はこれまで3月に基本構想をまとめ、本年度内に基本計画を策定する予定。来年度には施設の規模や主な機能を含む基本設計、地質調査などを進め、実施設計、用地取得などに入りたい考えだ。 加えて北浦ICから約3キロの工業団地「北浦複合団地」への企業進出にも期待を込める。鈴木周也市長は「開通により、人や物の流れが大きく変わる。特に物流の展開は大きい。農家などの所得が上がるようにしていきたい」と話す。 同県潮来市は麻生IC近くに企業誘致を図るため、新たな産業拠点の形成を計画。市企業立地戦略室によると、開発手法などはまだ決まっていないが、全線開通が「市の発展のための起爆剤になる」として、民間企業の進出可能性を懸命に探る。 既に総務省の支援制度を活用した「地域活性化起業人」を使い、企業のコンサルタントを手がける民間企業の社員を採用。成田空港から近距離であるなどの強みをアピールしながら、民間企業にアプローチしている。 現在、東関道の終点となっいる潮来IC付近についても、市は「通過点にはしてはいけない」(同室)との危機感を持ち、スポーツ、都市公園、観光などを主眼とし地域交流連携拠点整備を進める。 原浩道市長は「市民が期待していることは十分認識している。チャンスを逃さないよう構想の実現に向け頑張っていきたい」と述べた。
茨城新聞社