国家公務員は高給?手厚い手当ては廃止の方向…最新データから月給や退職金をさぐる
国家公務員の待遇が変わる2つのポイント
国家公務員の給与について、以下の項目を改定する方向で検討されています。 ・配偶者手当の廃止 ・地域手当の改正 それぞれのポイントについて確認しましょう。 ●配偶者手当の廃止 改定するポイントの1点目は、配偶者手当の廃止です。 配偶者手当は、年収130万円未満の配偶者を対象に、毎月6500円が支給されています。 現行制度では、一部の管理職を除く国家公務員であれば、配偶者手当が受け取れます。 人事院の勧告案には、配偶者手当の廃止が盛り込まれました。その結果、2025年4月から配偶者手当が廃止されます。 ●地域手当の改正 改定するポイントの2点目は、地域手当の制度変更です。地域手当は、各地域の物価や賃金の水準に国家公務員の賃金が対応するために、2000年代に創設された手当です。 物価や賃金の高い都市部に勤務する国家公務員は、支出が地方より高くなることを想定して、地域手当が支給されています。 現行制度では、地域手当の支給率は自治体ごとに適用しています。そのため、同じ都道府県に勤める国家公務員でも、地域手当に差が生じていました。 2025年4月からは、地域手当の支給率を都道府県単位で定めるように見直します。 では、近年問題視されている公務員にまつわる問題点について確認しましょう。
国家公務員をめぐる問題
国家公務員をめぐる問題は、主に2つです。 ・公務員の希望者が減少している ・若年層の公務員が定着しない 最も深刻な問題は、国家公務員を志望している人が減少している点です。 人事院の発表では、2024年度の国家公務員試験の申込者数が2万4240人でした。そもそも公務員を志す人が減少している状況となっています。 また、キャリアの浅い国家公務員が転職をするなど、定着していない点も問題です。 働きがいや業務量が多すぎるため、国家公務員から別のキャリアを選択する若手が増えています。
まとめにかえて
国家公務員の待遇や近年のトピックスについて解説しました。 国家公務員の待遇は、大手企業に勤めるサラリーマンと同じ水準といえるでしょう。 しかし、業務量が多い点や仕事をするモチベーションが見出しにくい点から、公務員を希望する人が減少しています。 離職者に歯止めをかけるために、待遇がどこまで改善されるか注目が集まります。
参考資料
・内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」 ・内閣官房「民間企業における退職給付制度の状況等に関する調査研究報告書」 ・人事院「記者会見 令和6年8月8日 人事院勧告・報告における川本総裁記者会見の概要」 ・人事院「2024年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)及び専門職試験(大卒程度試験)の申込状況」 ・人事院「令和6年 人事院勧告・報告の概要」
川辺 拓也