大型補強でチームを変えた…史上最高のFA打者5人
プロ野球の世界では、環境を変えることでさらなる高みを目指す選手がいる。その代表例がフリーエージェント(FA)移籍だ。しかし、過去を振り返ってみると、移籍後に期待通りの働きを見せた選手はそう多くない。ここでは、新天地でも成功を収めたFA戦士を紹介する。【野手編】 【写真】球界に衝撃…まさかの退団を経験した大物5人
金本知憲
投打:右投左打 身長/体重:180センチ/88キロ 生年月日:1968年4月3日 経歴:広陵高 – 東北福祉大 ドラフト:1991年ドラフト4位 金本は東北福祉大から1991年のドラフト4位で広島に入団。広島在籍時の2000年には史上7人目となるトリプルスリー(打率.315・30本・30盗塁)を達成した。その後も球界屈指の好打者として名を馳せ、“闘将”星野仙一監督(当時)から熱烈なラブコールを受け2002年オフに阪神へ移籍する。 移籍1年目は、主に3番打者として全試合フルイニング出場を続け、チーム18年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献。ダイエーとの日本シリーズでは、日本一とはならなかったものの、シリーズ計4本塁打と爆発し、年間を通して期待を裏切らない活躍ぶりだった。 2004年には自身初タイトルとなる打点王(113打点)を獲得。翌05年は、通算300本塁打・1000打点を達成するなど記録ずくめの一年となった。 その後2012年シーズンまで現役を続行。金本は「鉄人」の名の通り、骨折しても試合に出場し続け、金本の記録した「1492試合連続フルイニング出場」と「1万3686イニング連続出場」はいずれも世界記録となった。
小笠原道大
投打:右投左打 身長/体重:178センチ/84キロ 生年月日:1973年10月25日 経歴:暁星国際高 – NTT関東 ドラフト:1996年ドラフト3位 小笠原はNTT関東から1996年ドラフト3位で日本ハムに入団。在籍中に首位打者(2度)、本塁打王、打点王、最高出塁率のタイトルを獲得するなどチームの主軸として活躍。2006年のリーグ優勝と日本一を置き土産に、翌年から巨人へと活躍の場を移す。 巨人では中軸として移籍初年度から、打率.313、本塁打31本、88打点と優勝したチームの中でも打ちまくり、リーグMVPを獲得した。 翌年は前半戦で不調に陥ったが、夏頃から本来の調子を取り戻し、首位と最大13ゲーム離されたチームの逆転優勝に大きく貢献。結果的に小笠原は全試合出場を果たし、キャリアハイとなる36本塁打を記録している。翌09年は移籍後初となる「3割30本100打点」を記録。チームもリーグ3連覇を果たした。 キャリア晩年は中日に移籍し、2015年をもって現役を引退。2011年には2000安打も達成しており、通算9度のシーズン3割30本到達は、王貞治に次ぐ歴代2位の偉業である。