尾瀬入山者5%減 20年以降初の減少、休日の悪天候が要因か
福島県など4県にまたがる尾瀬国立公園の今年5~10月の入山者数は15万5630人で、前年同時期(16万3499人)から5%減り、現在の集計方法になった2020年以降で初めて減少に転じた。環境省が4日、発表した。同省は「晴れていれば入山者が増える休日に、悪天候の日が多かったため」としている。 入山者数の推移は【グラフ】の通り。環境省によると、新型コロナウイルス禍前の19年までとは集計方法が異なるため単純な比較はできないが、入山者数はコロナ禍で落ち込んだまま回復していない。 今年の入山者数を月別に見ると、6月の3万6263人が最多で、7月(3万905人)、10月(2万7688人)と続いた。本県側の沼山、御池、滝沢、猿倉、馬坂からの入山者数は計4万5202人で、前年同時期から9%減った。 入山者数の減少は環境を維持、管理する財源や担い手の不足につながる。このため環境省や県などでつくる検討会が今年2月、入山者獲得や環境保全の意識向上に向けた利用行動計画を策定。入山者を「ビギナー」「リピーター」「ファン」の3段階に分け、それぞれの層に合わせた情報発信や自然体験プログラムなどを展開している。 行動計画では26年の入山者数を20万人に増やすことを目標に掲げている。環境省の担当者は「入山者数が減少に転じたのは残念だが、目標達成に向け、計画に基づく取り組みを進めていきたい」としている。
福島民友新聞