GM、ロボタクシーから撤退 競争激化や安全性などで事業継続が困難に
米ゼネラル・モーターズ(GM)は10日、無人運転タクシー事業の「ロボタクシー」から撤退すると発表した。ロボタクシーの市場環境の激化や、事業拡大に膨大な時間やリソースが必要なほか、安全なサービス開発などに難航しており、事業の継続が難しいと判断した。今後、組織再編に着手し、個人用車両の自動運転開発や先進運転支援システム(ADAS)の開発に注力する。事業撤退により、ホンダとの自動運転タクシーサービスも中止となる可能性がある。 今後、GMはロボタクシー事業を手掛ける傘下のGMクルーズとGMの技術チームを統合する。また、GMが保有するクルーズの株式(約90%)を97%以上に引き上げ、最終的に全株式を取得。2025年上期に再編などを完了する見通しで、年間10億ドル(約1516億円)以上のコスト削減効果を見込む。 GMクルーズは昨年、米カリフォルニア州サンフランシスコで歩行者を巻き込む事故を起こして以降、米国内ですべてのサービスを停止していた。その後、GMは今年7月、各国の自動運転車両への規制強化を理由に、GMクルーズの自動運転タクシー車両「クルーズ・オリジン」の開発を無期限で凍結すると発表した。一方で、25年に発売を予定するシボレーの新型電気自動車(EV)「ボルト」をベースとした自動運転車開発は継続していた。 また、ホンダとGMは、GMクルーズとともに26年に都内で自動運転タクシーサービスを開始する予定だったが、クルーズ・オリジンの開発凍結で「開始時期や台数を見直す」としていた。