闇バイトに応募した高校生、辞退伝えると「損害賠償を請求」と脅迫…「1回だけなら」と指定場所に
10代の姉と弟が「闇バイト詐欺」に勧誘するリクルーター役として熊本県警に逮捕された事件は、高校生がSNS上の募集でグループに引き込まれそうになった経緯が捜査で明らかになった。
「警察に捕まる話ですか?」――。「短期間で高収入」などと書かれた投稿を見て、「遊ぶ金になるなら」と軽い気持ちで応募した熊本県内の男子高校生は、相手から誘導された秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」でこう尋ねた。相手からの返信は「どちらかというと悪いこと」だった。
それでもやりとりを続けた高校生は、指示通りに住所や生年月日、家族構成などの個人情報を送信。「『受け子』『出し子』ですか?」と聞くと「そうだよ」と言われ、辞退しようとすると、「損害賠償を請求する」と脅迫されたという。
「1回だけなら」と従うことにした高校生は、「受け子」として県外に行くよう指示され、指定された場所に着くと、スーツやイヤホン、新幹線の切符代などに充てる現金十数万円があった。個人情報を伝えていたため不安になった高校生は、保護者と一緒に熊本県警に相談した。
県警は、年内を目標に県内の全高校を回って闇バイトに応募しないよう呼びかける「非行防止教室」を開いており、若年層への啓発を進めている。