「日本の防衛費」よりも高い「超巨額報酬」を受け取った「超有名人」が発した「なんとも大胆なことば」
オプティマスとテスラの将来
株主総会でもう一つ注目したいイーロン・マスク氏の発言がありました。これはテスラが開発を進めている人型ロボット「オプティマス」について、将来的に年間1兆ドルの利益を生み出し、テスラの時価総額を25兆ドルに押し上げる可能性があると発言したことです。 これは現在の時価総額5800億ドルから40倍以上の成長を意味します。S&P500全体の時価総額が約45.5兆ドルであることを考えると、テスラが将来的にその半分以上の価値を持つことになるという大胆な予測をしています。 2025年にはオプティマスの限定生産を開始し、テスラの工場でテストを行う予定です。マスク氏は、同年には数千台のオプティマスロボットがテスラで稼働すると予想しているのです。
8月8日に発表予定のテスラ・ロボタクシーに注目
ウォール街のアナリストは、現時点でロボタクシーの価値をテスラの評価に組み込んでいません。しかし、8月8日に予定されているロボタクシーの詳細発表により、その評価が変わる可能性があります。 このロボタクシーとは、テスラの自動運転技術「FSD」を搭載した自動運転タクシーです。 「FSD」が普及すれば、サブスクリプションモデルの売上も増加し、利益率の高いソフトウェア事業からの収益が期待できます。 テスラの未来を見据える投資家にとって、この発表は非常に重要なものとなるでしょう。 その内容によっては株価が大きな変動がある可能性もあるため、注目したいところです。
アップルもテスラもまだまだ発展途上なのか
iPhoneにChatGPTが搭載されることで、AIは次の段階へと移行していくはずです。 そして次のAI時代は、iPhoneを通じて、今よりもさらに身近で無料でAIを使うユーザーが爆発的に増加していくことが既定路線です。このとき、手のひらのデバイスを抑えているアップルがAI競争においても有利なポジションであり続けるはずです。 つまりアップルのような時価総額で世界一を争う企業であっても、さらなる事業成長の余地があることを意味しており、こうした将来への期待が織り込まれる形で株価にも反映されることが予想されます。 一方のテスラの執筆時点(6/21)の時価総額は約5800億ドルです。株価は現在180ドル付近であり、最高値414.5ドルから半分以下となっています。 しかし、EV市場も急成長期からは落ち着いたものの、確実に市場が拡大していくことに加えて、テスラの新規事業のアップサイドの余地を考えれば、今後、株価も上昇していくことが期待され、今は投資を検討するには面白い時期だと思います。
絶好の好機
株価が長期的に成長し続ける企業は、常に新しい時代を開拓し続けています。 この条件に照らし合わせたとき、アップルもテスラも現在の技術的課題に対する革新的な解決策を提供し、未来を形作る存在であることに疑問の余地はありません。そして両社はAI、EVという異なる分野におけるリーディングカンパニーとして、今後もトップの地位にあり続ける可能性が高いことを考えれば、これまでマグニフィセントセブンの銘柄の中で出遅れているように見えたことも、むしろ絶好の好機だったと感じるかもしれません。少なくとも筆者自身はそのように考え、両銘柄を保有しています。
鈴木 林太郎(米国株ライター)