「会社の派閥争いに40代で敗北、今後どうすれば…」→佐藤優の「ズルい処世術」が反則級に使える!
● 知の巨人・佐藤優が 「学閥はダメ」と言い切る理由 ひどい例を挙げると、社会人になってから何年~何十年もたっているのに、母校である難関大学の入試の話題で盛り上がり、「オレは2次試験の数学を何問解けた」などとお互いに自慢し合っている人たちがいます。しかも、その出題内容をいつまでたっても正確に覚えている。 入試どころか、さらに前の「模試」の話題でヒートアップし、「オレは全国模試の10番以内に〇回入った」といまだに言い合っている人もいます。 そういう人達と一緒にいても時間の無駄です。申し訳ないですが、学歴を基準に集団を形成し、今も入試の話題で盛り上がっている人たちは、たとえ高学歴でも社会人としては「劣位集団」に当たります。自分の人生の頂点が、社会人ではなく「難関大学に合格した時点」で止まっているからです。 なので、彼らはいつまでたっても入試や大学の話をします。同じ武勇伝を学生時代から何百回と繰り返しているから、試験問題を全部覚えているのでしょう。 私は難関大学出身者に出会うと、リトマス試験紙として「二次試験でどんな数学の問題が出ましたか?」と聞いてみることがあります。そこで延々と解説し始める人間は「危ないヤツ」だと見ています。 ちょっと話が脱線しましたが、もしBさんが転職し、職能に基づく「良い派閥」に入れたとしても、永久に安泰だとは限りません。派閥同士で何らかのトラブルが起こる可能性もゼロではない。そうした際に、今回のように「負け組」になる事態を避け、うまく立ち回る方法が実はあります。 それが「8対2の法則」です。自分が所属している派閥に8割、敵対する派閥の両方に2割という比率で関わり、どちらかが潰れた場合の保険をかけておくのです。
● 佐藤優が説く、組織で生き残るための 「8対2の法則」とは? 例えば、Bさんの直属の上司を「課長」、その上のマネジャーを「部長」とします。課長と部長が敵対する派閥に属している場合、「課長に8割」「部長に2割」の比率で忠誠心を持ちましょう。 「直属の上司を裏切るヤツは、他のマネジャーの下についても裏切る」と見なされることが多いので、基本的には(8割程度は)課長に忠実に仕えるのです。その裏側で、課長の動向をコッソリ把握しておき、部長に時折「告げ口」をする。これが「2割の忠誠心」に基づく行動です。 部長に告げ口をする際は、「すぐに裏切るヤツ」だと見なされないよう、慎重に言葉を選びましょう。「課長がこんなことを言っていて……」と直接的に伝えるのではなく、「私はあまり気にしていないのですが、他に気にする人がいるかと思いまして……」と遠回しに話すのです。 「個人の利益のために情報提供している」というトーンを抑えて、「会社全体を心配して、やむを得ず相談している」「組織のためを思うと、ちょっと気になる」という体裁にした方がいいですね。その結果、どちらかが敗北しても、Bさんが窮地に追いやられるリスクを低減できるというわけです。 最後に、そうした派閥内での立ち回りを知る上で、大変勉強になるコンテンツをお伝えしておきましょう。 それは、任侠映画の「日本統一」シリーズです。 詳細は伏せますが、主なあらすじは「不良少年が極道の世界に身を投じ、成り上がっていく」というものです。作中ではヤクザの内部抗争が描かれることが多いのですが、これらは結局、派閥や人事の話。ビジネスの世界にも当てはまる「会社の縮図」が描かれているからこそ、あれだけ売れ続けているのです。 男性ファンが多い作品ですが、だまされたと思って見てみてください。今後の身の振り方のヒントが得られるかもしれませんよ。
佐藤 優