九州高校野球、大分で26日開幕 海星・投打ともにハイレベル 壱岐・旋風再来へチーム一丸 長崎
来春の選抜大会(甲子園)につながる第155回九州地区高校野球大会は26日~11月1日、大分県内で行われる。各県代表の16校がエントリー。長崎県からは県大会を制した海星が2季ぶり47度目、準優勝の壱岐が初出場する。九州の選抜出場枠は4。海星は第2日の第1試合(27日10時・佐伯中央病院スタジアム)で有明(熊本)、壱岐は第1日の第2試合(26日15時45分・別大興産スタジアム)で専大熊本玉名との1回戦に臨む。いずれも初戦をしっかり勝ち上がって、選抜出場が有力となる4強入りへ弾みをつけたい。本番直前、県勢2校の横顔を紹介する。 ■海星 秋の九州大会出場は4年連続。2年ぶりの選抜切符獲得を目指す。投打ともにハイレベルで、注目は県大会でチーム打率4割2分9厘を記録した攻撃力。波佐見や小浜などの伝統校を相手に5試合中4試合で2桁安打を放った。加藤監督は「今年は例年より振れている。守備で粘って終盤に突き放す展開に持ち込みたい」と本番を見据える。 思い切りのいい1年生の小林が得点源。県大会は12打点を挙げ、打率は5割を超えた。準々決勝の小浜戦でサイクル安打を達成した鰐川、巧打の濱部、宮地も期待ができる好打者。それぞれ3~4割台の打率を誇り、機動力も備える。古賀、小川、重松らがつなげれば、先制されても取り返していける力がある。 投手陣は本格派右腕の陣内が絶対的エース。140キロ台後半の直球に80キロ台のカーブ、鋭く落ちるスライダーを巧みに織り交ぜ、県大会は計25イニングで2失点と存在感を示した。技巧派右腕の田端、野手兼任の鰐川、球威がある檜垣ら2番手以降の踏ん張りも不可欠。捕手小川がそれぞれの長所を引き出していく。 昨季から大幅に入れ替わったバックは1試合平均1失策。壱岐との決勝は3失策と乱れ、いずれも失点につながった。強豪ぞろいの九州大会では、逆境や緊迫した状況でどれだけ確実にアウトを重ねられるかがポイント。加藤監督は「2勝が最低限。挑戦者の気持ちを忘れずに戦ってほしい」、主将の濱部は「自分たちは強くない。先を見ずに一戦必勝で戦っていきたい」と気を引き締めている。 ■壱岐 県大会で創成館、大崎を連破するなど旋風を巻き起こし、創部45年目にして初の九州大会出場を決めた。部員21人全員が壱岐島の中学出身。飛び抜けた選手はいないが、攻守にまとまりがある。坂本監督は「強豪校と対戦できる絶好の機会。選手には楽しんでプレーしてほしい」と本番を心待ちにする。 4人が登板した県大会5試合のチーム防御率は1・38。柱となるのは準々決勝で創成館を完封した浦上で、チーム最長の18回1/3を投げて無四球無失点と抜群の安定感を披露した。日髙、中上、山口も含めて、全員がストライク先行で打たせて取れるのが特徴だ。昨季からマスクをかぶる岩本の強肩も大きな武器。安原、山口の二遊間も含めてバックも堅実だ。 攻撃は小西、県大会の打率4割超の岩本、浦上を軸に、どこからでも得点を狙える。長打力がある選手も多い中、県大会では中堅から逆方向への意識を共有。チーム打率は2割7分4厘と高くはないが、そつのない攻撃で計31得点を挙げた。1試合平均3犠打、4盗塁の機動力野球を、いかに大舞台で発揮できるかがカギになりそうだ。 初戦は専大熊本玉名。勝ち上がれば、今夏の甲子園で準決勝に進んだ神村学園(鹿児島)との対戦が予想される。自力での選抜切符獲得が目標だが、結果次第では「21世紀枠」の可能性もある。主将の浦上は「自分たちの野球に自信を持って戦う。相手が強いのは分かっている。どんな相手にも向かっていく」と九州でも壱岐旋風の再来を誓っている。