落選が確実となり、支援者らに沈鬱な表情であいさつする新潟2区の細田健一氏＝27日夜、新潟県燕市（本田賢一撮影）

衆院選新潟2区では、自民党の派閥パーティー収入不記載事件で非公認となり、無所属で立候補した新潟2区の細田健一氏（60）が落選確実となり、開票状況を見守るために用意された新潟県燕市内のホテルのホールは重苦しい空気に包まれた。 午後8時すぎ、ニュース速報で立憲民主党の菊田真紀子氏（55）の「当選確実」が報じられた。沈鬱な表情で現れた細田氏は「全ての責任は私にある。申し訳ない」と支援者らに深々と頭を下げた。 その上で、不記載事件で不利な状況にもかかわらず必死に選挙戦を支えてくれた支援者に対し、「私を応援することで評判が悪くなるリスクを恐れずに、堂々の選挙戦を展開してくれた」と感謝の弁を述べた。 敗因については「区割りの変更によりもともと厳しい戦いだったところに不記載事件などが重なり、二重苦、三重苦の選挙戦になった」と振り返った。 無所属のため、比例復活はない。小選挙区での敗北は議員バッジを外すことを意味する。今後の身の振り方について「こうした形で政治家人生を終えることはできない。次の衆院選も新潟2区から挑戦する」と力を込めた。自民の党籍を持つことから、同党からの立候補を目指すという。 投開票日の直前には、同党本部が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2千万円を支給したことが判明し、批判の的になった。細田氏が代表を務める支部にも振り込まれ、細田氏は「ありがた迷惑だった」と語気を強めた。細田陣営の選対本部長を務めた高橋直揮県議は「身内からとどめを刺された」と怒りをあらわにした。 公示日翌日の16日には、燕市で開いた個人演説会に高市早苗前経済安全保障担当相が応援に駆け付けた。高市氏の最初の全国応援行脚が細田氏だった。高市氏は演説で「新潟を強く、豊かにするのは細田氏だけ」とエールを送ったが、細田氏はその期待に応えることができなかった。（本田賢一）