大阪経済大・柴崎外野手

◇１６日　関西六大学野球秋季リーグ戦　大阪経済大１―２大阪商業大（滋賀県大津市・マイネットスタジアム皇子山） 　今秋ドラフト候補に挙がる大阪経済大・柴崎聖人（まさと）外野手（４年・岐阜第一）は、恩師に優勝を報告できなかった。勝った方が優勝する大一番で、９回に１点を先制するも、その裏、大阪商業大に逆転サヨナラ負けを喫した。 　「林（投手）が粘ってくれたにもかかわらず、自分たち野手が１点で止まってしまった、もっと早く先制できていれば、もっと楽な試合展開になっていると思うんで、そこはやっぱり自分たちの実力不足だと思います。やっぱ悔しいですけど、林で負けたら仕方がないと自分たちは思っていました」 　今秋、大阪商業大の渡部聖弥外野手（４年・広陵）に次ぎ、リーグ通算１００安打を達成。「３番・右翼」で出場した大学ラストゲームは３打数ノーヒット。９回の１死二塁では申告敬遠され、バットを振ることなく最終打席を終えた。今季通算は５１打数２０安打の打率３割９分２厘で首位打者を逃したが、それでも２本塁打の１５打点とチームを引っ張った。 　入学した当時から打撃指導を受けていた、中日や侍ジャパン（ＷＢＣ）ほか阪神、広島などでコーチ歴のある高代延博監督（７０）がこの最終節は体調不良のため、ベンチに不在だった。 　「打てて勝てて優勝できれば、もっと良い恩返しができたと思います」 　今秋の開幕直前に「大谷（翔平）もどきのノーステップ打法」（高代監督）を提案されて、打撃を改造した。その結果は出た。大学通算成績は８８試合３３６打数１０５安打の打率３割１分３厘、４本塁打、４５打点。 　「自分は高代さんがいなかったら、正直ここまで来れてる自信はないですし、高代監督のおかげでここまで来れました」と感謝する。その教えはノーステップ打法だけではなく「ボールに対して向かっていくこと」だった。「自分は結構、逃げ腰で打つことが打席のなかであったので、そこは口酸っぱく言ってもらって、それで良い結果につながりました」 　４年間、一度も優勝を味わえなかった。今年は春も秋も２位。大阪商業大にあと一歩、及ばなかった。だから大学野球生活を「悔いなく、とは言い切れないです」と寂しそうに笑った。 　ドラフト会議を２４日に控える。「走攻守そろっていて、が自分の売りなので、上のレベルへ行っても走攻守すべてにレベルアップできるように頑張っていきたい」と話した。