J3富山の“キャプテン翼”が決勝ゴール…今季ホーム戦は3勝1分と好調
◆明治安田生命J3リーグ 第10節 富山2-0鳥取(14日、富山県総合運動公園陸上競技場) カターレ富山は、2-0でガイナーレ鳥取に快勝し、順位は9位に浮上した。今季のホーム戦は3勝1分と負けなしで、試合が終わると、ゴール裏のサポーターは喜びを爆発させた。前節までの9試合では合計6得点と、得点力不足に苦しむが、今季初の複数得点をマーク。小田切道治監督は「苦しい時間帯もあったが、皆さんの声援で勝利できました。連戦に加えて、暑さもあったが、しっかりと強度を保ち、取り組んできたことにチャレンジできた。多くの課題は残っているが、複数得点が取れたことはプラスの材料だと思う。一歩ずつ成長していきたい」と前を向いた。 カターレの“キャプテン翼”が、技ありの先制ゴールを決めた。前半11分、今季からキャプテンを務めるMF吉平翼(26)が、CKからのこぼれ球に素早く反応。クルリと360度、身体を回転させて、鮮やかにシュートを決めた。吉平は「練習でも全然、やったことがない。うまく股を抜けてくれてラッキーでした」と仲間と抱き合って大喜び。後半は決定的なピンチもあったが、同24分には駆け上がってきた左サイドバックの安光将作(24)が豪快ヘッドを決めて、勝利を決定づけた。 今季10試合を終え、シーズンの約4分の1を消化。失点数は8点と健闘している一方で、得点も8点と苦戦している。先制した試合でも「守る意識が強くなるというよりも、相手が点を取りに来る圧力に押されて、押し返せないシーンが多かった」と吉平。同点に追いつかれたり、同点から勝ち越し点が上げられないことも多かったが、この日はチーム全員で複数得点への共通意識を持ってプレー。吉平は「チームとして、もう1点取りに行こうと、声を出せていたのは良かった」と手応え。安光は「1点のみだとアクシデントで失点したり、前節のように(終了間際の)PKでの失点もある。1点差と2点差では、相手の攻撃の迫力も違う」と振り返った。 過密日程となった直近の3連戦で、2勝1分と調子は上向き。6位のSC相模原との勝ち点は2差となり、J2昇格プレーオフ出場圏も見えてきた。安光は「(4月6日の)北九州戦から、なんとなく得ていた自信が少しずつ本物になっている。実感として、みんなつかめていると思います」と手応え。悲願のJ2復帰に向け、序盤戦からの巻き返しに挑む。(中田 康博) ○…8戦ぶりの黒星を喫した鳥取の林健太郎監督は「選手たちは最後までよく戦ってくれたが、前半の失点がもったいなかった。後半は修正して、流れも良くなって、ゴールにも近づいた場面も多かったが、先に失点したことがすべて。1回、リセットして、しっかり課題に向き合いながら次につなげていきたい」と振り返った。
報知新聞社