小型扇風機コーナーで売れ筋のハンディファンを持つ綾利之店長＝９日、鹿児島市の鹿児島ロフト

　最高気温が３０度を超える真夏日が鹿児島県内でも増える中、雑貨店や家電量販店では、暑さや熱中症対策グッズが人気を集めている。近年需要が伸びた小型扇風機は種類や機能が多様化、エアコンも省エネタイプを前面に売り出す。飲食ではアイスやかき氷の注文が増えるなど、涼を求める動きが活発化している。 【写真】電気代高騰を受け人気を集める高性能タイプのエアコン＝１６日、鹿児島市のビックカメラ鹿児島中央駅店

　鹿児島ロフト（鹿児島市呉服町）は７月の第１週、持ち運べるハンディファンの売上高が前年同期比で２．５倍に上る。ファンだけで約６０種類が並び、「日傘に取り付けるタイプや持ち手の角度を調整して机に置けるもの、首元や手首などをピンポイントで冷やせるものなど幅広くそろえている」と綾利之店長（４６）。 　ファンとともに熱中症対策として人気が高いのは、首にかける保冷剤「ネックリング」。今年は使い勝手が向上した商品が多く、冷却時間が長い幅広タイプや服装になじみやすいベーシックな色合いの物が登場するなど、バリエーションが豊富になっている。 　鹿児島市では７月初旬、４年ぶりに５日連続で最高気温３５度を超える猛暑日を記録。同市中央町のビックカメラ鹿児島中央駅店では、比例するようにエアコンの売り上げが前年同期比（７月１～１５日）で約１１０％に伸びた。節電機能が高い高性能タイプが売れ筋といい、馬場雅史主任（３０）は「電気代の高騰を受け、少し高くても省エネタイプを選ぶ人が多い」と話す。性能や価格、年間のエアコン代などを比較できるパネルを設け買い換えを促す。

　連日の暑さの影響もあり、コンビニエンスストアの南九州ファミリーマートでは７月１～１０日、冷やし麺の売り上げが前年同期比１４０％、アイス同１５０％、スポーツ飲料を含む機能性飲料は約３倍になった。 　山形屋食堂（同市金生町）でも、鹿児島名物のかき氷・白熊の注文が急増している。夏場は１日平均１８０食程度だが、３００食を超える日もある。白熊で涼を取っていた同市皷川町の横馬場文子さん（７２）は「かき氷ならさっぱり食べられて、体がひんやりする。今年は特に暑いからまた食べに来たい」と笑顔を見せた。