全米メディアも大谷デビューに熱狂「最初のテストに通過」「恐ろしい選手」
エンゼルスの大谷翔平投手(23)が29日(日本時間30日)敵地のオークランドで行われたアスレチックス戦に「8番・DH」でスタメン出場。2回2死一塁にグレーブマンの内角低めに投じられた146キロのカットボールを芯で捉え、打球は一、二塁間を破り、メジャー初打席初ヒットを記録した。この日、大谷は、5打数1安打。延長11回の最後の打席は三振に倒れ、チームは、その裏サヨナラ負けを喫したが、日本から来た二刀流ルーキーの鮮烈デビューを全米のメディアは好意的に大きく取り上げた。 エンゼルスの地元紙、オレンジカウンティー・レジスター紙は、「リラックスした大谷がエンゼルスのDHとしてレギュラーシーズン最初のテストを通過した」との見出しで紹介。 マイク・ソーシア監督の「打者と投手、2人の人間がいるようだ。1人の方はよりリラックスしていた」という談話を用いて打者・大谷の鮮烈デビューを伝えた。 「マウンドやボール、対戦する選手に加えて、メディア対応など全ての新しいことに直面する大リーグでの生活に順応することで、大谷の(投打)両方の心地よさはシーズンを通して上がっていくことは確かだ」と、今後の見通しをポジティブに報じた。 そして、春季キャンプで大谷は苦戦し結果を残せなかったが、「大谷もエンゼルスからも心配する様子はほとんど見られなかった。23歳の大谷が、3Aでシーズンを過ごす必要があるかもしれないとの外部の声もあったが、エンゼルスは、それを真剣に検討することはなかった」という球団の姿勢を明らかにした。 試合前にビリー・エプラーGMは、「春キャンプでの打率や防御率よりも大谷の才能と日本の5年間の経歴が重要だ」と語っていたという。 「(第1打席の安打のあとの)4打席の内容は良くなかった。3度ゴロで打ち取られ三振を喫した。それでも勢いのあるゴロも放ち、非凡な走塁スピードも見せた」と評価。大谷は明日も、2戦続けてDHで打者として出場、明後日の第3戦は、1日(日本時間2日)の先発に備えて「休みを取るだろう」という起用方針であることを記した。 日ハム時代は、中6日で先発、先発前後の2試合は打者としては休養を取りDHとして4試合出場するスケジュールだった。キャンプからエンゼルスも、その間隔を踏襲しており、同紙は、「エンゼルスは、大谷が日本で行った流れに合わせていくように見える」と推測したが、その一方で、「エプラーGMは、彼を1週間に1度登板させる計画でいくのかについては言及していない」とも伝えている。 USAトゥデイ紙は、大谷のデビュー戦の一日をクローズアップした。 「大谷にとって4時間2分のデビュー戦よりも大リーグでのキャリアはもっと長くなる。だが、今後、感情をここまで注ぎ込むようなことはないかもしれない」と記した。 大谷の1日は、数か月ぶりに再会する両親とサンフランシスコでの夜明け頃に朝食を摂ることで始まり、試合が延長戦に突入したことで、オークランド・コロシアムを離れたのは、午後5時過ぎになったという。 同紙は対戦相手となったアスレチックス側の声も拾った。 「春キャンプで大谷を見る機会がなかったアスレチックスは最初の対戦で感銘を受けたようだ」とし、「彼は我々にとってかなりの苦悩となりそうだ。恐ろしい選手に見えた」というアスレチックスのボブ・メルビン監督の声を紹介した。 またメジャー初ヒットを献上したが、続く第二打席は二ゴロに斬ったグレーブマンの「今日は彼を1安打のみで良く抑えることができた」というコメントも伝えた。