静岡市と山梨県の企業 発がん性が指摘される「PFAS」を8割除去する実験に成功
静岡市清水区の工場周辺から、発がん性が指摘される「PFAS」が検出された問題で、静岡市と山梨県の企業が「PFAS」を8割以上取り除く実験に成功したと発表しました。 発がん性などが指摘されるPFASを巡っては、静岡市清水区の三井・ケマーズフロロプロダクツ清水工場が過去にPFASの一種・PFOAを使用していました。 近隣の「三保雨水ポンプ場」では、国の暫定基準のおよそ200倍にあたる高い濃度のPFASが検出され、問題となっています。 これを受け山梨県の企業・Aホールディングスは「PFASの除去を実現する技術の実証実験を行いたい」と静岡市に申し出て共同実験を行いました。 そして「Aホールディングス」はきのうPFASを含む水に微細な泡をつくり、そこに薬剤でPFASを吸着させることで、8割以上のPFASを取り除くことに成功したと発表しました。 ●静岡市 難波喬司市長: 「第一段階としては十分かなと思っている。除去システムは有効であるということが証明をされたと思う」 山梨県の長崎知事も。 ●山梨県 長崎幸太郎知事: 「大量かつ長期間に効率的にかつ有効に除去できたと。この報告自体そのものが大変明るい展望を提供してくれたと思う」 Aホールディングスは今後静岡市と連携して、取り除いたPFASを無害化する技術の実証実験も進める方針です。 一方、三井・ケマーズフロロプロダクツの元従業員や医師でつくる市民団体は、22日、静岡市と非公開で話し合い、PFAS問題の行政対応に疑問を呈しました。 ●清水PFAS問題を考える連絡会 鈴木孝雄共同代表: 「国の動きが鈍すぎる。国の専門家会議でやっぱりちゃんとした指針を出すようなことをやってもらいたい」 市民団体はPFASが検出された全国の自治体がまとまって、国に働きかける仕組み作りも必要だと訴えました。また工場に対して住民説明会を開くよう申し入れをしていて、工場側は来週、文書で回答すると いうことです。