AIによって会議がなくなることはないが「それが良いこと」である理由
AIが会議文化に与える影響
なかには、「近い将来AIが会議に代理で出席してくれるようになるかもしれない」と考えている人もいます。 自分の代わりにボットを会議に出席させるというと、「もう会議に出なくていいんだ!」と最初は魅力的に聞こえるかもしれませんが、会議文化に悪影響が及ぶことになります。 無機質かつ、出席する人とテクノロジーに取って代わられる人を決定することでヒエラルキーを押し付けます。AIは人間性を置き換えるのではなく、人が達成できることを共に向上することを目指すべきです。 AIを導入したコミュニケーション・プラットフォームによって、非同期的な会話が強化され、不必要な会議は行なわずともチームメンバーが協働したり最新情報を共有し合ったりすることがもっと簡単になります。あるいは、チームメンバーのひとりの都合で会議の予定を変更しなくてもよくなります)。 このようなプラットフォームによって、議論の要約やアクションアイテムのまとめ、さらには必要であれば最適な会議時間の提案も可能となり、リアルタイムのやり取りの必要性を最適化できます。 実際に一堂に会する必要があるとき、AIが果たす類まれな役割というのは、代わりに会議に参加するということではなく、会話の効率化とともに意味のあるアウトプットの増加を可能にするということなのです。 会議の参加者全員が議論に積極的に参加し、メモ取りなどの雑務よりも共同作業や創造的なアイデアのブレインストーミングに集中することができたら、どれほど事が進むか考えてみてください。
適切なバランスを見つける
最終的に、AIで会議が増えるか減るかは、どのように導入され組織のプロセスに統合されるかにかかっています。 AIはワークフローを合理化し、特定の種類の会議、特に情報共有や状況の更新に重点を置いた会議の必要性を減らす可能性を秘めています。しかし、AIが新たな働き方を促し予期せぬ課題をもたらすにつれて、戦略や倫理、人間とAIのコラボレーションに焦点を当てたさまざまな会議の必要性も生じるかもしれません。 組織は、膨大な量のデータを処理・分析するAIの能力を活用することで、さらに多くの情報に基づいた意思決定を迅速化し、忙しいだけの作業は削減することになるでしょう。これによってスケージュールが完全にすっきりするわけではもちろんありませんが、長時間検討を行なうような会議の必要性は減るかもしれません。 AIは人間同士のやり取りの必要性をなくすのではなく、むしろそこを優先できるようにしてくれるのです。これは、チームがリモートで分散するようになるとともに、社員同士がもっと存在感を発揮して関与し合えるようにする方法を企業が模索している今、特に期待されるところです。 組織にとって重要なのは、効率を最大化すると同時に有意義なコミュニケーションができる文化を育むような方法でAIを活用することであり、不必要な会議は減らす一方で必要な議論では生産性が高まり付加価値の高い活動に集中できるようにする、ということです。 つまるところ、十分に気を配り、時間を最大限に活用する方法について批判的に考える必要があるのです。 AIが生産性、効率、速度を向上させる強力なツールになることは間違いありませんが、新しいツールを導入する際には会議を活用する方法やタイミングについて一層目的意識を持つ必要があるでしょう。 Source: futurism.com Originally published by Fast Company [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
白井樹(OCiETe)