IVEが唯一無二の伝説を刻んだ東京ドーム公演、かけがえのない時間をさらに輝かせた“主役たち”
第二の主役はDIVEの熱烈なファンコール
今回の「特別感」に華を添えたのは、8月31日に20歳になったウォニョンと、9月1日に21歳になったばかりのユジンへの誕生日サプライズだ。最後のトークパートで大きなケーキが登場すると、ウォニョンが「本当に幸せです」とつぶやく側で、ユジンはレイの鼻にクリームをつけて笑顔を見せると、レイは「ゲキオコ!」と反撃を試みた。トークパートでは、客席の48,000人のファンと一緒に、ペンライトでウェーブを作しその美しさにみとれていると、レイがユジンに「こういう時に言う言葉があるじゃん!」と促し、ユジンが「ヤバ谷園!」と笑顔で答え「これ、流行っているんですよね?」と客席に問いかける場面も見られたが、ギャルピースをリバイバルヒットさせたレイのギャルマインドがあちこちにちりばめられていたのも、日本ならでは。また、ウォニョンが終始日本語でトークを進行したのも感動的だった。感じたことを自身の言葉でファンに伝えたいという彼女の想いが伝わった。 約3時間に及ぶ熱狂のステージで、改めて強く感じたのは、IVEが放つ楽曲の圧倒的なクオリティと、メンバー一人ひとりが持つ卓越したボーカル力の高さだ。さらにキャッチーなタイトル曲に加え、「Shine With Me」や「Blue Hear」などウォニョンが綴る等身大の歌詞は、ただの言葉を超えてファンの心に深く響き、彼女たちとの心の距離を一気に縮める魔法のような役割を果たしている。その歌詞は、若者たちの抱く感情や経験をありのままに表現し、リスナーにとってIVEをまさに身近で親しみやすい存在にしてくれる。アイドルらしさにプラスされるそうしたリアルな感性が、IVEの楽曲に独特の深みを与え、その音楽を唯一無二のものへと昇華させている部分もある。 そして、ステージを照らすもう一つの輝き──それは、東京ドームを埋め尽くしたDIVEたちの熱烈なファンコールだ。オープニングの「I AM」から、会場全体に伝わるDIVEの熱意と期待感は圧倒的だったが、特に「LOVE DIVE」から「Kitsch」へと続くヒット曲のゾーンでは、メンバーたちが思わず「トリハダ!」と叫ぶほどの力強いコール&レスポンスが繰り広げられた。DIVEの声援は第二の主役となり、IVEのパフォーマンスをさらに輝かせてくれる。 この特別な瞬間は、IVEとDIVEが共に築き上げたかけがえのない時間であり、未来への大きなマイルストーンとして永遠に記憶に刻まれることだろう。彼女たちの輝きは、これからも止まることなく、新たな伝説を刻んでいくに違いない。 ◎文/坂本ゆかり