IVEが唯一無二の伝説を刻んだ東京ドーム公演、かけがえのない時間をさらに輝かせた“主役たち”
新鮮だった“ダークサイド”なブロックも
中盤のユニットコーナーにも大きな変化があった。最初のユニットは、ガウルとレイ。まずはソロで、ガウルが「新しい振付になった」というアリアナ・グランデの「7 Rings」をセクシーにパフォーマンス。続くレイは、Original Loveの「接吻」をセーラー服姿でキュートに歌った。そして2人が揃うと「東京ドーム、盛り上っていきましょう!」と勢いをつけて、ソウルのアンコール公演から加わったスパイス・ガールズの「Wannabe」を歌った。 レイは、「IVEがついに東京ドームに来られたので、日本の曲を披露したくて」とソロパートを「接吻」に変えたという。デビューした時から「IVEとしていつか東京ドームに立ちたい」と夢をみてきたレイ。最後の挨拶で「(昨年11月の)横浜公演の最後に“行くぜ、東京ドーム!”と言ったら、本当に来ちゃった!」と感動していたが、「小学5年生のころ、東京ドームの4階の一番後ろの席でライブを見た」という彼女が15歳で単身韓国に渡り、5年で叶えた夢はあまりにも大きい。「昨夜は緊張し過ぎで寝付けなくて、ママを部屋に呼んで手を繋いで寝ましたが、DIVEの応援のおかげで堂々と東京ドームに立つことができました。待っていてくれて、本当にありがとう。みんなの暖かい気持ちのおかげで、韓国での活動も頑張れます」と言っていたが、ここまで大きくなったIVEに日本人メンバーがいるのも嬉しい。 ウォニョンとリズは、プリンセスのような衣装で『塔の上のラプンツェル』の「When Will My Life Begin?」を歌った。途中で花かごの花びらをまいたり、リズがピアノを弾いてウォニョンとのハーモニーを聴かせるなど、幻想的な世界観で魅了したが、ここまでガーリーな世界観をステージで表現できるのもIVEならではといえるだろう。 ユジンとイソは、ユニット前のトークコーナーでSNSで流行りのダンスチャレンジを実演して盛り上げる恒例の「ヘヘズタイム」とは真逆の、セクシーかつパワフルなステージを展開。全身黒の衣装でステージに上がったリトル・ミックスの「Woman Like Me」では、カッコいいダンスブレイクを披露して会場を沸かせた。また、今回のドーム公演では2人そろって前髪アリのヘアスタイルに変身。彼女たち曰く、これも「特別」なのだそう。 ほかにも衣装やセット、センターステージやそこまで伸びる長い花道といったステージ構成、さらにはアンコールでのトロッコの登場などバージョンアップされた点は多くあったが、ユニットコーナーの後のブリッジ映像にも大きな変化があった。ホラーの館での椅子やシーツを使った演出が際立つ「Hypnosis」の導入部分に、IVEメンバーたちがバレエのレッスンを受ける新ムービーが加えられたのだ。トゥシューズに画鋲を仕込むという昔の少女マンガのようなストーリーが、どんどん不穏なムードとなりホラーな展開に。この映像からの「Hypnosis」になだれ込むダークサイドIVEはまた新鮮。そしてそこから、今夏「SUMMER SONIC 2024」でも沸かせた「Accendio」で再び通常営業のIVEに戻るギャップが何とも言えない流れとなった。