逃げてんじゃねぇよ…住宅を襲撃した強盗団、逃走中に「殺す」と脅される ホワイト案件としてメンバー募集した指示役、個人情報を掌握し豹変…報酬も与えず、離脱させず 後悔するメンバーに「覚悟しろよ」
埼玉県内や東京都内で連続発生した住宅への強盗致傷事件。県警などは各事件の指示役と実行役に分かれた匿名・流動型の犯罪グループによる犯行とみて捜査している。所沢市とさいたま市西区の両事件に関与したとして、これまでに逮捕された実行役の容疑者らの供述からは、犯行から抜け出せない「闇バイト」の構図が浮かび上がってきた。 性的暴行…明け方に自宅で目覚めた女性、鉢合わせた泥棒が強制性交…逮捕 約5時間後に気付いた母が通報
西区の事件では、実行役の男らは交流サイト(SNS)で荷物や人を運ぶなどの「ホワイト案件」として高額報酬をうたうアルバイトの募集を見つけ応募した。SNSのダイレクトメッセージで指示役から言われるまま、秘匿性の高いアプリを自身の携帯電話にインストール。仕事を行う上での身分確認などを説明され、顔写真や運転免許証などの身分証の画像を送信し、指示された待機場所で他の人物と合流すると、指示役の態度が一変し住宅への強盗を指示されたという。 突然指示された男らが犯行をためらうと、指示役は「個人情報を知っている」「覚悟しろよ」と脅迫し犯行を強要。男らは恐怖心から離脱することができずに実行したという。実行役らは事件後、報酬を得ることができず、2週間で相次ぎ逮捕された。 所沢の事件でも同様の経緯で、実行役が犯行から抜け出せない状況になっていた。捜査関係者によると、一部の容疑者は指示役から秘匿性の高いアプリの音声通話で「逃げたら殺す」などと脅され、犯行から抜け出せなくなったと話しているほか、犯行直後に「逃げてんじゃねぇよ」などと言われたという。両事件で逮捕された男らの一部は容疑を認めており、中には犯行を後悔している者もいた。
県警は、高額報酬をうたうSNS上でのアルバイトの中には犯罪に直結するものもあるとして、広く注意を呼びかけている。 ■さいたま市西区の襲撃、4人目を逮捕 さいたま市西区の住宅に男らが押し入った強盗致傷事件で、県警捜査1課と大宮西署は1日、住居侵入と強盗致傷の疑いで、川崎市高津区蟹ケ谷、配送業の男(20)を新たに逮捕した。 逮捕容疑は氏名不詳の者と共謀して9月18日午前1~2時ごろ、同市西区指扇の一戸建て住宅に侵入し、80代と60代の母娘を拘束し暴行。現金約10万8千円などを奪った疑い。県警は共犯事件のため、認否を明らかにしていない。 県警はこれまでに実行役や被害品のクレジットカードを使い現金を引き出そうとした男ら3人を逮捕。いずれも交流サイト(SNS)で闇バイトに応募していた。 捜査関係者によると、20歳男は犯行を自供。SNSで「ドライバーの仕事」「ホワイト案件」とうたう募集に応募したが、内容が変更され、犯行に加わらせられたと供述しているという。