「米、インド太平洋で優位に」 トランプ政権に対中政策の継続期待 国務副長官
【ワシントン時事】知日派で知られるキャンベル米国務副長官は19日、ワシントン市内で一部メディアと会見し、2021年に発足したバイデン政権のインド太平洋戦略を振り返って「4年前に比べ明らかに米国が優位になった域内環境が、トランプ次期政権に引き継がれる」と語った。 対中政策に関しては「高いレベルの継続性と適切な変化を期待する」と述べた。 キャンベル氏は「バイデン政権の初期、コロナ禍の米国が衰退の道を進む一方で中国が急速に台頭し、地殻変動が起きそうだという感覚があった」と指摘。しかし、中国が周辺国とあつれきを強め、自身が尽力した日米韓やオーストラリア、フィリピンなどを交えたさまざまな協力の枠組みで包囲網を形成してきたことから「戦略的状況は米国にとって好ましい方向に変化した」と強調した。 トランプ氏陣営との協議を巡っては「中国が重要な存在になるという認識を共有している。(次期政権は)資源や技術、アフリカや中南米を舞台とする(中国との)競争に関心を寄せている」と説明した。また、中国に厳しいルビオ上院議員が国務長官に指名されたことは「良いニュースだ」と述べた。 日米関係については「日本に全幅の信頼を置いている。機微な軍事品の共同生産を含む関係の多様化を模索するなど、70年余り前に同盟が締結されて以来、最もダイナミックな展開を見せている」と評価。「この流れは両国の新政権下でも続くと思う」と楽観的な見方を示した。