25歳孫の男、起訴内容を否認 一家3人殺害、責任能力争点 静岡地裁支部
浜松市の民家で2022年3月、70代の祖父母ら3人を殺害したとして殺人罪に問われた孫の無職山田悠太郎被告(25)の裁判員裁判の初公判が31日、静岡地裁浜松支部(来司直美裁判長)であった。 山田被告は「自分が人を殺した自覚がないし、殺した記憶もない」などと述べ、起訴内容を否認した。判決は来年1月15日の予定。 山田被告は、幼少期から虐待を受けた経験から解離性同一性障害などの精神障害があり、刑事責任能力の有無が主な争点となった。 検察側は冒頭陳述で、犯行時に責任能力が著しく減退していたとは言えないと指摘。凶器を事前に準備するなど「強固な殺意に基づく、執拗(しつよう)で残虐な犯行だ」と非難した。 一方、弁護側は、別人による犯行の可能性は否定できないと指摘。仮に山田被告による犯行だとしても、「『ボーイ』という別人格で犯行に及んでおり、コントロールできなかった」として無罪を主張した。