[山口県]海に転落女性を救助 日新中3人に感謝状 役割分担し協力し合い下関署から
海に転落していた女性を救助したとして、下関市上田中町の日新中学校(安成哲也校長、306人)のいずれも3年の男子生徒3人に24日、下関署から感謝状が贈られた。3人は小学校からの友達で、緊急を要する場面に遭遇して最初は慌てたがすぐに落ち着きを取り戻して役割分担しながら協力し合えたといい、一致団結した行動で1人の命を救った。 お手柄の3人は横田彪雅さん(15)、岩田博整さん(14)、浴林勇希さん(14)。学校行事で振り替え休日だった今月2日の午後8時ごろ、3人で遊んで帰宅途中、関門海峡に面する市中心部のあるかぽーと岸壁を自転車で通りかかった時、海沿いに荷物があるのを発見。苦しそうな声も聞こえてきたため、自転車から懐中電灯を外して岸壁の下を見たところ、船舶接岸用の緩衝材に20代女性がしがみついていた。 最初は横田さんと岩田さんが手を伸ばして女性の腕をつかんで引き上げようとしたが難しかったため、土地勘があった横田さんが10メートルほど離れた場所に海に下りるための階段があることを思い出して女性を誘導。犬かきのような泳ぎで近づいてきた女性を、横田さんと岩田さんが腰まで海水に漬かりながら階段から助け上げた。 暗い中での救助で、浴林さんはスマートフォンのライトで現場を照らし出して友人2人が状況を分かるように手助け。女性を引き上げた後は、浴林さんが自転車でコンビニエンスストアに行き、自分の小遣いでばんそうこうや飲料水を買って女性に渡した。 中学生たちの様子に気付いた通行中の大人が119番。女性は救急車で搬送されたが、命に別条はなかったという。 感謝状を3人に手渡した石田篤史署長は「迅速・的確な勇気ある行動で1人の尊い命が救われた。これからも思いやりの心を持って、安全・安心な地域づくりに協力してほしい」とたたえた。 サッカー部や野球部に所属する体育会系の3人。横田さんは「普段から仲が良い友達同士なので、今回のような危ない状況でも協力し合えたと思う」、岩田さんは「最初は慌てたが、とにかくすぐに救おうと思い、最善の行動ができるよう考えた」、浴林さんは「命を救おうと行動しただけ。怖さもあったが、薄れた。女性が助かって本当によかった」と話した。