“ポスト天心”無敗の23歳・龍聖、目指すのは真の日本一 キックにも「RIZINみたいな舞台があれば最高」
もし天心VS龍聖が実現していたら…
改めてこの話を龍聖に振ると、「別に思ったことを言っただけですよ。凄いと思ったら凄いと言うし」と話した。 なぜか格闘技界では、ほぼ同じルールで試合を行なっているにもかかわらず、同じ階級のベルトを持った選手が、結構な数で存在してしまう現状がある。 「ホントは全部が混ざれる。総合格闘技だったらRIZINみたいな舞台があれば最高ですけどね。それが一番いいじゃないですか。(誰が一番強いのか決めるのが)簡単じゃないですか。昔のK-1MAXは新日本キックの武田幸三がいてとか、いろいろいたじゃないですか。いろんなところを集めて。プロレスラーも呼んでとか、いろいろあったじゃないですか。だから、そういう舞台があれば面白いですけどね」 そう言って龍聖は立技格闘技団体の「大同団結」を望む声を挙げた。たしかに魔裟斗をはじめ、各団体のトップが集結したのが、当時のK-1MAXだった。 そのための参考になるのか。プロボクシングの統一世界王者・井上尚弥はWBA、WBC、IBF、WBOというボクシング団体が認めた世界スーパーバンタム級王者だが、これにならって、K-1、RISE、KNOCK OUT、SHOOT BOXINGといった、日本における立技の4団体が認めた統一王者が誕生すれば、「誰が一番強いのか」といった疑問にはかなり近づけるに違いない。 龍聖にその話を向けると、「それをやったのが『THE MATCH』(2021年6月19日、東京ドーム)でしょう」とひと言。 ならばと、「THE MATCH」をどう思ったかと質問すると、「自分も出たかったですよ。そこはいろいろ大人の事情が絡んでいたらしいですけどね」と苦笑した。 「THE MATCH」をご存知ない方に説明すると、同大会はメインで那須川天心VS武尊の8年越しの夢の対決が実施され、K-1、RISE、SBの主要ファイターが集結。東京ドームに超満員(主催者発表で5万6399人)の観客を動員したほか、PPVの数字を合わせると、50億円興行とも呼ばれた、伝説の大会になった。 もしそこに龍聖が出ていたら、また格闘技界の流れが変わった可能性もある。今となっては天心がボクシング界に転向したため、実現は不可能になったが、もし天心VS龍聖が実現したらどうなったいただろうか? この問いに対し、龍聖は「普通にやられていたんじゃないですか?」とコメントし、「僕が普通にやられていたと思いますよ。子どもの時からの経験もそうだし、何より才能がすごいですよね。勝てるわけがないですよ。闘うために生まれてきたセンスも」と天心を絶賛した。 天心戦こそ実現しなかったが、龍聖は2019年4月にあったデビュー戦で勝利を挙げて以来、現在、16戦16勝(11KO)の戦績を持つ。つまりは“ポスト天心”的な存在に当たるのが龍聖になる。 そんな龍聖に、今までで最も自分らしさの出た試合はどれになるのかを聞いてみた。 「僕の瞬発力や爆発力が出たのは、『INOKI BOM-BA-YE×巌流島』(2022年12月28日、両国国技館/ダウサコン・BANG・BANG・GYM戦)ですよね。それプラス、人間味っていうか気持ちが出せたのは、僕が1回ダウンした時の中国人(チュームーシーフー/2023年6月11日、後楽園ホール)との試合、ラジャのチャンピオン(ペットセーンセーブ・ソーヂョー.トーンプラーヂン/3月5日、代々木第二体育館)との試合。その三つくらいじゃないですか?」