<新紙幣、新時代。>栄一翁の想い継ぐ~(8) 深谷市渋沢栄一政策推進課「渋沢栄一を知り誇り持って」
2024年7月3日、ついに発行となった新1万円札の肖像となる渋沢栄一翁は、我々の故郷・埼玉県深谷市の出身です。 新1万円札の両替求め、長蛇の列 店の外まで延び、150人以上が歴史的瞬間待つ 銀行はスタッフを1・5倍に増員
「道徳経済合一」や「論語と算盤」など栄一翁の精神は、変化に富む現代においても脈々と受け継がれ、多くの日本人がその魂に触れ、影響を受けています。 「新紙幣、新時代。~栄一翁の思い継ぐ~」では、地元深谷や栄一翁にゆかりのある皆さんに、栄一翁の残した「言葉」を選んでもらい、語っていただきました。 ■「子曰く、徳は孤ならず、必ず隣あり」(「論語」) 深谷市渋沢栄一政策推進部渋沢栄一政策推進課は、2020年4月に深谷市の新しい部署として設置されました。19年に深谷市出身の実業家渋沢栄一が新1万円札に決まり、21年には大河ドラマ「青天を衝け」の放送が控えていました。それまでは渋沢栄一記念館を所管する教育委員会などが対応していましたが、渋沢関連の業務は渋沢栄一政策推進課に集約されました。 スタート時は新型コロナの影響で、学校が臨時休校になり、市役所も一部はリモートで業務を実施し「渋沢栄一 青天を衝け 深谷大河ドラマ館」の準備を進めてきました。21年2月から大河ドラマがスタート。市民文化会館大ホールでパブリックビューイング(PV)も開催しました。ドラマが放送されると、大勢の観光客が深谷に足を運んでくださいました。
それまでの渋沢栄一の知名度は県北部の出身者なら知っている人もいましたが、全国区ではありませんでした。大河ドラマの影響は大で、渋沢栄一の知名度は全国に知れ渡ったと思います。深谷市では市内の小中学校での教育にも渋沢栄一は取り入れられていて、「忠恕」(思いやりと真心)の心を学んでいます。 旧渋沢邸「中の家」は老朽化が進行していました。屋根瓦の葺き替え費用については、賛同者から寄付を募る「クラウドファンディング」を実施することに。全国各地の約800人から目標金額を大幅に上回る約1400万円以上の寄付が集まりました。 深谷には中の家だけでなく、渋沢栄一ゆかりの史跡などがたくさん残っています。市民の人たちが保存しようと残してくれたもので、努力の結晶といえると思います。渋沢栄一が設立した日本煉瓦製造のホフマン輪窯も6月30日から一部公開が始まりました。 大河ドラマにも登場した市指定文化財の血洗島獅子舞には大きな注目が集まり、地元の若者や子どもたちも携わってくれています。自分の地域にこういうものが残っているんだと、地元を愛する心が育まれ、地元に対する誇りにもつながっています。