ジ・エンプティ『革命ツアー2024』サバシスターを迎えた初日・千葉LOOKは最高にフレンドリーな空間だった【オフィシャルレポート】
11月8日、福岡県久留米市発のロックバンド、ジ・エンプティの『革命ツアー2024』は、彼ら未踏の地・千葉LOOKで幕を開けた。タイトルにもある通り、今回は10月30日にリリースした2nd EP『革命 e.p.』を引っ提げてのツアーで、彼らとこれからのロックバンドのライブシーンの中核を築き上げていくであろう盟友たちと全国12カ所を巡る対バンツアーである。 【全ての写真】サバシスターを迎えたジ・エンプティ『革命ツアー2024』初日公演(全17枚) その記念すべき初日、『革命ツアー2024』の一音目を鳴らしたのは、今年メジャーデビューを果たし、猛スピードでロックシーンに名を轟かせているサバシスター。19時頃、既に熱気が充満する会場が暗転し、もはやファンの中ではお馴染みのSEとなっているビッケブランカの「Ca Va?」を背に、なち(vo&g)、るみなす(g&cho)、GK(ds&cho)、そしてサポートメンバーのサトウコウヘイ(b)が登場。 それぞれがセットにつくとSEが鳴り止み、それと同時にGKの力強いバスドラムの音を合図にメロコアのエッセンスを感じる骨太なバンドセッションから「覚悟を決めろ!」でライブがスタート! エンジン全開で轟音を掻き鳴らす4人の姿に観客も負けじと呼応し、のっけからダイバーが続出するなどいきなり盛り上がりが最高潮に達し、ライブでのフィジカルな強さを見せつけると、勢いそのままに「ジ・エンプティ、初日を任せてくれてありがとう! 最高になって帰ろうぜ!」となちが高らかに発して、最新作『あの夜のはなし-EP』に収録の「作戦会議」へ。 同作のリリースツアー(『あの夜のはなしツアー』)を大盛況に終えたばかりというのもあってか、観客は既にこの曲の楽しみ方を心得ているかのようで、サビではものすごいシンガロングが巻き起こり、その流れを引き連れてパンキッシュなメロディに“22歳になりたくない”というだけのユルい歌詞を乗せた「22」を、そしてドライブ感が気持ちいいロックナンバーの「!」を間髪入れずにプレイ。 そこから一息ついてMCに入ると、なちがジ・エンプティとの出会いを振り返る。彼女らが23年秋に行なった『KIRAKIRALOVE TOUR 2023』で初共演したのがキッカケで仲良くなったことを明かし、「いろんなライブハウスを回って会えるみんなの顔は、バンドにとってライブをやる大事な理由のひとつだと思う」と赤裸々な想いを吐露すると、ライブ活動で全国各地を駆け巡るハイエースの中で綴ったという「ハイエースナンバー」を披露。“仲間の歌”と枕詞を添えて投下されたこの曲は、この日、この場所では、これから長いツアーを走り抜けていくジ・エンプティへのファイトソングとして会場に響きわたり、さらに「ひとりぼっちと廊下の窓」、「マイベストラブ!」を丁寧に鳴らしていく。心の中にある葛藤を露わにしたナンバーと、懐古的で甘酸っぱいラブソングでエモーショナルな雰囲気に染め上げると観客は身体を自由に揺らして聴き入り、アグレッシブに体を前のめりにして楽しんでいた序盤とのコントラストが印象的だった。 再びのMCでは前回対バン時の打ち上げのエピソードなどを軽く披露し、2組の間柄にほっこりしているのも束の間、ライブは遂に終盤戦に。彼女たちの名が広まるきっかけとなった代表曲の「ジャージ」、そして音楽に関する闘志をツービートのメロディに乗せて歌う「ミュージック・プリズナー」などをノンストップでプレイし、ジワジワと会場のボルテージを上昇させていくと、その熱気は続くラストソングの「サバシスター’s THEME」で大爆発。ハンドマイクに持ち替えたなちが全身をフルに使って内に籠るエネルギーをフロアに向けて精一杯に放つと、観客もそれにすかさず思いっきりのシンガロングとクラウドサーフで反応し、大歓声に包まれる中でライブが終了。終始ジ・エンプティに対しての愛とエールを示しつつ、直近のツアーで培った確かなパワーを余すことなく見せつけてステージを後にした。