新NISAつみたて投資枠対象投信研究(2)、海外資産残高トップは「eMAXIS Slim」、パフォーマンスは?
そして、残高の3位は「SBI・V・S&P500インデックスファンド」の1兆6569億円、次いで、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の1兆5441億円と1兆円超のファンドが続く。そして、第5位が「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の7548億円など、上位を占めるのはインデックス投信ばかりだ。
一方、対象投信のパフォーマンスを比較すると、過去3年(年率)トータルリターンでは、トップが「iFreeNEXT FANG+インデックス」の26.65%だ。この投信は、米国のハイテク株を代表する「FANG+インデックス(フェイスブック<メタ・プラットフォームズ>、アマゾン、ネットフリックス、グーグル<アルファベット>、エヌビディア、ブロードコム、マイクロソフト、スノーフレイク、アップル、テスラという10銘柄に均等投資する株価指数)」に連動することをめざすインデックス投信。第2位は、「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」の22.63%。「NASDAQ100」は、NASDAQ市場に上場する時価総額の大きな100銘柄で構成された指数。そして、アクティブ投信である「iTrust インド株式」が22.4%、「フィデリティ・米国優良株・ファンド」が22.12%だ。この後に、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の22.04%が続いている。
パフォーマンスをみると、米国株市場全体を表す「S&P500」は優れた運用成績を残しているが、よりハイテク株の比率が高い「NASDAQ100」やハイテク株の代表銘柄で構成された「FANG+インデックス」の方がパフォーマンスが良いという結果だった。そして、「S&P500」よりもインド株投信の方がより高いリターンにつながっている。さらには、国内株式のアクティブ投信である「日経平均高配当利回り株ファンド」は、3年(年率)トータルリターンが32.55%と、海外資産のトップである「iFreeNEXT FANG+インデックス」の26.65%を超える運用成績だったことを忘れてはならない。「コロナ・ショック」の2020年3月以降に、米国ハイテク株が大幅な上昇となって、株式投信のパフォーマンスは「米国株式」が最も高いリターンにつながりやすいという見方が強く、実際に、国内公募投信の中では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が最大の残高を持つまでに成長しているが、日本株やインド株など、米国株以外により優れた運用成績を残す投信があることを見逃してはならないだろう。