【Mリーグのリアル何切る?】捨てた牌をポン!リーチ選手のツモ番をなくした園田賢
写真の場面であなたならどうする? 何を切る? 下にある【答え】を読む前にまずは考えてみよう。 【写真】思わず天を仰いだ萩原聖人 上家のリーチに降りているところ。山には残り5枚。2巡凌げばいいのだが…。 【答え=8筒】自身のアガリを諦め、守備に徹する「降りる」という行為。これが実に奥深い。自身が得点する可能性はゼロだが、失点を減らしたり、うまくはまれば失点せずに済むケースすらある。常に卓上で「自分にできることは全部やる」をモットーに打ち続ける園田賢(ド)は、降りる場面でもその姿勢は変わらない。最終盤、園田の8筒切りはリーチを打っていた萩原聖人(雷)のわずかな希望もきっちり消し去る、そんな一打だった。 山には残り5枚だけ。園田は2巡しのげば、ノーテン罰符を払って流局という状況だった。真っ先に捨て牌候補に思いつくのは3人の共通安牌である7筒。ところが園田の指は隣にあった8筒に伸びた。まず安全度について。「7筒も9筒も4枚見えていてノーチャンス。自身も3枚持っているので、あるとしたら単騎のみ。ですが萩原選手が先に1萬を切っていて、その後に1、2萬切りと1萬が対子落としの形になっているので、単騎待ちが少なそうでした。そもそも8筒単騎は、萩原選手にとってリーチ時としていい待ちではない。私は筒子の上を全然切っておらず、勝又(健志)選手も5、6筒は切っているが7、9筒など筒子の上を(その時点では)切っていなかったので、8筒単騎にする選択は限りなく低いし、そうするならわざわざ字牌の南を切ってリーチするわけがない」 それでも安全度100%の7筒が捨て牌候補として勝るはずだが、8筒を選んだのは別の理由があるからだ。「8筒を切ると、同じく降りているだろう(鈴木)大介選手が8筒を合わせ打ちしてくれた時限定で、自分がポンすれば萩原選手のツモ番をなくすことができる」。暗刻で持っていた8筒からあえて1枚切り、鈴木大介(B)が切った場合にポンで鳴き直し、萩原のツモアガリを完全に防ぐ。実に巧妙だ。 描いたストーリー通り、園田の8筒に鈴木大介が合わせ打ち、すかさずポン。ここで満を持して7筒切り。ツモ番を消された萩原が思わずのけ反るのも無理はなかった。
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