工芸作家６人、魅力発信へ一丸 芸術家集団「ＦＡＢＥＲ月山」立ち上げ
陶芸品、こけし、月山和紙などを作る西川町在住の工芸作家6人が、芸術家集団「ＦＡＢＥＲ（ファベル）月山」を立ち上げた。県外などで一丸となって展示・販売会を開き、作品を含め、町の魅力を発信しようと発足。年内に宮城県や東京都内など3カ所で開催を予定しており、発起人の陶芸家・土田健さん（52）は「各作家の技術がものすごく高い。面白い集団になる」と期待を語る。 ＦＡＢＥＲはラテン語で「職人」を意味する。メンバーは土田さんと、せいのまゆみさん（44）＝月山和紙あかり、シブヤナオさん（53）＝月山和紙、上野明さん（56）＝月山めのう、伊東広さん（34）＝つる細工、志田菊宏さん（65）＝菊摩呂こけし。このうち4人は県外からの移住者だ。 名古屋市内の百貨店から昨年、「西川の工芸品で展示ができないか」と打診を受け、土田さんが出品を呼びかけたことが発足のきっかけとなった。全国的な評価を受けている作品もあり、各作家の技術力は高いが、個展など県外で披露する機会が少ない作家もいた。「埋もれさせてしまうのはもったいない」と感じていた土田さんは昨年5月末から1週間、同百貨店で6人展を開催した。
遠方での個展は移動費などの経費負担に加え、集客や売り上げの見込みをつかみづらい難しさがあるのに対し、団体としての展示は発信・集客を一体で行える点がメリット。6人展では、来場者がお目当ての作家以外の作品も楽しんでおり、普段とは違った手応えを得たという。 仲間でありながら、同じ展示場ではライバルでもあり、「互いに創作意欲を刺激し合える良い関係」と志田さん。土田さんは「各作家の手仕事を知ることで、西川町に行ってみようと思ってもらいたい。後継者の確保にもつながるといい」と話した。 同集団は町伝統産業活性化協議会の構成団体の一つとなっており、展示運営費やホームページ制作費などは同協議会を通して国の補助金を活用している。今後の展示・販売会の開催日と会場は次の通り。 【17～20日】遠刈田温泉ゆと森倶楽部（宮城県蔵王町）【30日～11月4日】泉パークタウンタピオ1階（仙台市）【12月4～10日】こくみん共催ｃｏｏｐホール／スペース・ゼロ（東京都）
