「道の駅」は第3ステージへ。全駅制覇を成し遂げた達人に聞いた「道の駅」最新事情
道の駅のトレンド
最近、道の駅を回っていて感じるトレンドが三つある。一つ目は「泊まれる道の駅」。その代表格、米国資本の「フェアフィールド・バイ・マリオット」は、「道の駅プロジェクト」と称して隣接地にマリオットホテルを建設し、すでに全国30施設近くが稼働している。食事は道の駅の利用を想定しているため、ホテル内にレストランがないのも特徴だ。 道の駅に気軽に泊まれる施設としては「RVパーク」も見逃せない。駐車場での車中泊を禁止している道の駅もあるが、近年は電源を備えた駐車スペース「RVパーク」を設置して積極的に受け入れる施設も増えている。「RVパーク」併設の道の駅は30か所以上ある。 二つ目は「キッズコーナーの充実」。新しい道の駅はキッズコーナーを備えるところが多く、家族連れの集客につながっている。富山県の「KOKOくろべ」は屋外のプレイエリアが特に広く、ふわふわドームに子どもたちの歓声が響いていた。 三つ目が「地域の防災拠点」としての機能。新しい道の駅の多くが防災倉庫を設け、緊急時の備蓄、電源を備えている。現在広域的な防災拠点機能を持つ道の駅として、国交省が全国39か所の「防災道の駅」を選定している。このように宿泊機能や交流機能、防災機能が強化された道の駅は、地域にとってさらに重要な場所になっている。 道の駅の楽しみ方は人それぞれで、気に入った道の駅に何度も行くのもいいし、各地の道の駅を訪問してそれぞれの個性を楽しんでもいい。ぜひ自分なりの道の駅の楽しみ方を見つけてほしい。 文・写真/吉田泰生(よしだやすお) 福岡県在住。2006年から道の駅の全国制覇を目指し、旅の様子をブログ「全国の“道の駅”完全制覇の夢!」で発信し続ける。14年に全国制覇を達成し、その後も増えた道の駅を巡りつつ現在は1200か所以上を訪問。 ※「旅行読売」2024年9月号の特集「47都道府県 行きたい道の駅」より