「産業にも多様性が大事」ヤマモリ松阪工場に学ぶ 三重県内の高校生~35歳
「グローバルな視点持ちローカルで活躍する」人材育成 16人が参加
三重県政策企画部国際戦略課主催の「グローカル人材育成講座」が26日午後1時から、松阪市大口町のヤマモリ㈱松阪工場(服部憲昌執行役員工場長)で開催された。高校生から35歳までの若者を対象に「グローバルな視点を持ってローカル(三重県)で活躍する人」を育成するのが狙い。高校生8人と大学生3人、大学院生1人、社会人4人の計16人が参加した。
しょうゆから環境に優しいプラスチック合成 業界全体で取り組み望む
テーマは「持続可能な社会・環境の実現を目指しグローバルに活躍する企業の魅力に迫る!」。同社は大学との共同研究により、製品のしょうゆの副産物である「しょうゆ油」から生分解性プラスチック(微生物などの働きによって最終的に水と二酸化炭素に分解されるプラスチック)を合成することに成功するなど、環境保全で先進的な取り組みを進めている。 この日は、同社の三宅崇文理事開発研究所長(54)が環境に配慮した取り組みや、7年間タイで工場長を務めた経験などについて講演。続いて谷川原洋松阪工場管理部長(51)が場内を案内。また、参加者がグループに分かれて「どのような夢・目標を持っているか」「どのようなグローカル人材になりたいか」についてディスカッションし発表し合った。 三宅さんは、生分解性プラスチックの研究について「しょうゆを作る過程で必ず大豆から来るしょうゆ油が出る。それを菌に食べさせると簡単に分解するプラスチックができることが分かった。将来的には植物油から生分解性プラスチックを作って、その容器がやがて分解されて水と二酸化炭素になり、それが光合成で使われ、また植物油ができるサイクルになれば。その取り組みをしょうゆ業界全体でできないか考えている」と話した。 英語が苦手なのに海外赴任した三宅さんは「結論としては何とかなった」と振り返る。「最初はすごい大変なことだなあと思われることも、やってみたら意外にいけちゃうというのを理解していただけたらうれしい」とチャレンジ精神の大切さを強調した。