特別養護老人ホーム(特養)は年金だけで入居できる?月額費用をケース別に紹介
11月30日は「年金の日」です。 厚生労働省では、“国民お一人お一人が「ねんきんネット」などを活用しながら、高齢期の生活設計に思いを巡らしていただく日”として、毎年11月30日を「年金の日」と定めています。 【一覧表つきで記事を読む】費用の安さで人気の特別養護老人ホーム(特養)は、年金だけで入居できる? さて、みなさんは、自分の親が年金をどのくらい受け取っているのか把握していますか? 親が高齢になると、頭によぎるのが親の介護にかかる費用。介護を担うのは子であっても、親の介護費用は、基本的に親のお金から捻出されるものです。 しかし、親の収入が「年金のみ」という場合には「年金だけで入居できる介護施設はあるのか?」「年金だけで費用がまかなえるのか?」と不安を覚える方もいるでしょう。 介護施設の中でも「特別養護老人ホーム」は、年金だけで入居できる場合があります。 本記事では、ケアマネジャーである筆者が特別養護老人ホームの費用について、年金だけで入居できるのか、またできない場合の対処方法についてご紹介します。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【老齢年金】国民年金と厚生年金の平均受給額はいくらか
まずは老齢年金の支給額を確認しておきましょう 以下は、2021年度末時点の国民年金と厚生年金受給額の平均年金月額です。 ●【老齢年金】平均年金月額 ・国民年金:5万6368円 ・厚生年金(第1号):14万3965円(基礎年金含む) 国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台となっています。
【特養】特別養護老人ホームの主な費用3つ
次に、特別養護老人ホームへの入居にかかる費用をご紹介します。 特別養護老人ホームは公的施設のため入居一時金などの初期費用は必要ありません。必要な費用は月額費用のみです。その内訳は以下の通りです。 ・施設介護サービス費 ・介護サービス加算 ・居住費 ・食費 ・日常生活費(その他費用) 以下で詳しく解説します。 ●特別養護老人ホームの費用1. 施設介護サービス費 施設介護サービス費は施設で介護を受ける際にかかる費用です。要介護度が高くなるほど負担額が増額し、居室のタイプによっても金額に違いがあります。 以下は、要介護度と居室タイプ別での自己負担額の一覧です。 要介護度・居室タイプ別の介護福祉施設サービス費自己負担額(30日間) 要介護1 ・多床室/従来型個室:1万7190円 ・ユニット型個室/個室的多床室:1万9560円 要介護2 ・多床室/従来型個室:1万9230円 ・ユニット型個室/個室的多床室:2万1600円 要介護3 ・多床室/従来型個室:2万1360円 ・ユニット型個室/個室的多床室:2万3790円 要介護4 ・多床室/従来型個室:2万3400円 ・ユニット型個室/個室的多床室:2万5860円 要介護5 ・多床室/従来型個室:2万5410円 ・ユニット型個室/個室的多床室:2万7870円 「多床室/従来型個室」の要介護度1で1万7190円、要介護度5で2万5410円でした(30日間)。 ●特別養護老人ホームの費用2.介護サービス加算 介護サービス加算は、サービスの提供体制や利用者の状況等に応じて加算される費用のことです。 その金額は施設や入居する方の状態によって変動します。 ●特別養護老人ホームの費用3.居住費・食費 特別養護老人ホームの居住費と食費については、厚生労働省が1日あたりの「基準費用額」を定めています。 居室タイプごとの居住費と食費の基準費用額は以下の表のとおりです。 特別養護老人ホームの居住費の基準費用額(日額(30日間)) 居住費 ・従来型個室 :1171円(3万5130円) ・多床室:855円(2万5650円) ・ユニット型個室:2006円(6万180円) ・ユニット型個室的多床室:1668円(5万40円) 食費:1445円(4万3350円) たとえば従来型個室の場合、居住費は3万6130円、食費は4万3350円となっています。