【ジャパンC 俺のチェックポイント】ドゥレッツァ復活なるか 東京コース2戦2勝&折り合い改善の秘策も
ジャパンCの俺のチェックポイント。web版として吉田桜至郎記者がドゥレッツァに注目。昨年の菊花賞馬の復活はあるのか。陣営に迫った。 ◇ 今回、出走する有力馬のなかから一頭、取捨の選択に迷っている馬がいる。昨年の菊花賞馬ドゥレッツァだ。春の2戦は消化不良に終わり、前走・英インターナショナルSでは、骨折休養明けだったことも響いての5着。この結果だけで見限るにはまだ早計のはず。今回出走する有力馬たちと、勝負づけが済んでいないこの馬の巻き返しがあるかを探った。 早くから秋の最大目標に当レースを設定し、予定通り10月26日に美浦トレセンへ帰厩。徐々に追い切りの強度を上げ、1週前の13日はWコース併せ馬で5ハロン65秒9―11秒4。時計的には及第点だったが、終始乗り手が手綱を引いた状態だった。尾関調教師が「(前走)2000メートルを使ったことで前向きさが出てきた」と折り合い面に一抹の不安がよぎる内容だった。 課題を踏まえたうえで、20日の最終追い切りでは、リズム重視の単走仕上げ。さらに、ビッドガード(ハミに装着するゴム製の頰あて)という馬具を使用し、折り合い面の改善を図った。その効果はてきめんで、序盤は見違えるほどリラックスした走り。直線に向くと弾むようなフットワークでラスト1ハロン11秒2の切れ味を見せた。 見守ったトレーナーも「折り合いをつける練習もかねて長めからやったけど、ある程度折り合いもついたし、いい動きだった」と合格点を与え、「いい状態でレースを迎えられると思う」と胸を張った。3カ月ぶりのレースとなるが、状態面は文句なしといったところだ。 今回の舞台は東京芝2400メートル。これまで東京は2戦2勝で、2戦ともに強烈なパフォーマンスを見せている。「本質的にステイヤーではないので、この距離はいいと思うし、ずっと走らせてみたかった」と指揮官は話す。そして、鞍上にビュイック騎手を起用。「英インターナショナルSは、(イスラー9着で)一緒に乗っていましたが、ペースも遅くて距離も少し短いように感じました。菊花賞は力強く走れていたと思いますし、ジャパンCに優勝することが、私の大きな目標です」と名手は語気を強めた。人気が予想される有力馬を思えば、ドゥレッツァは配当の妙味がありそうな存在。当日までの気配をしっかり見極めたうえで、印を決めたい。(吉田桜至郎)